しっかり話し合いましょう、の話。
そして話は戻り……。
「よし、とりあえずここに座りましょうか、夜羽さんや」
「…………ん」
とりあえず俺が落ち着き、夜羽を居間に呼び戻す。
幸い、風呂のときのように部屋から出て来ないといった事にはならなかった。
「……とりあえず、俺に何か、聞きたい事は……?」
「……ぁ…………」
そう聞くと、夜羽は顔を赤くして口をパクパクさせた。
……聞きたいことはあるけど、うまく言葉に出来ないと言ったところでしょうか?
「それじゃ、先に俺から聞こう。……東城さんに何を聞いた?」
「……ん、プロポーズって何かって」
「……それに東城さんは何と答えた?」
「……ん……フーフになろうって意味の言葉ですの! ……って」
と、夜羽は顔を赤らめながら答えた。
「そ、そうか…………」
うん、直球すぎるわ……。
もうちょい、何かボヤかした言い方出来ただろ。
大体いつもの俺を知ってる東城さんなら、考えれば勘違いだと思うと思ったのに!
ああ、でも、東城さんが堂々とさっきのセリフを言い放つ姿が目に浮かぶ……。
軽く現実逃避気味に考え事をしていると、夜羽は慌てた様子のまま話しかけてきた。
「そ、そそれで、シュン……? その、プロポーズ……」
「――っ! い、いや、その、矢島さんも言ってたろ? 『プロポーズした、ように聞こえる』って。その、あの時思った事を言ったら、プロポーズっぽく聞こえたって言うか、何て言うか……」
「ん……! わ、わかってる……! でも…………その……」
夜羽の顔はまだ真っ赤で、それにまだ何か聞きたそうな顔してるような……。
そう思い、黙って夜羽が話し出すのを待っていると、少し言いづらそうに目を逸らし、口を開いた。
「…………えっと、あの時、最後に、言った事に後悔してな「あー!! と、とにかく! この話はまた今度、いずれ、だ! 元々、俺がちゃんと言えるようになるまで保留って言ったのに、夜羽が東城さんに聞いちゃうから」……ん、ん! わかった!」
……そうだった。
あの時夜羽、最後まで俺と矢島さんの話し聞いてたんだった。
うーん、この話、とりあえず先送りにしちゃったけど……本当にいずれ、話す事になりそうな……。
つか、俺はこれから、どうしていきたいんだろう。
多分、ずっとこのままって訳にはいかない……と思う。
でも心のどっかでは『ずっとこのまま』を望んでる気もする。
――……ああ、駄目だ、もう疲れた。
正直、今日は色々ありすぎた……。
疲れで頭が回らん。
「ん、シュン、そろそろ、体洗う時間」
「お、おう、そうだったな」
まあ、考えるのはいつでも出来る。
とりあえず、夜羽もいつも通りに戻ったし、それでいいか。
あ、明日あたりに東城さんの誤解は解いとかなきゃ。
何か久しぶりに言う気がするな……面倒くさい。
瞬君は先送りの駅にのりました。
感想お待ちしてます。