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黒い鳥さんと一緒。  作者: 蛇真谷 駿一
学校で一緒。
72/144

彼の帰宅で感じる変化の話。

 買い物から帰ってきたんだが。


「……………………」「……………………」

 何故か二人とも無言だった。


 おかしいな、なんとなくドア開けた瞬間は、話し声が聞こえてたと思ったんだが……。


 夜羽のほうは俯いていて、少し見える顔は真っ赤に染まっているように感じる。

 な、なにがあった……。


 対する東城さんは俺が帰ってきた瞬間から、ジト目で睨み続けている。

 な、何なんだ一体……。



 …………うむ、とりあえずは。

「えっと、ただいま」


 すると夜羽が勢いよくこちらを向き、

「お、おおおおおおおおおおかえり!!」

 と、異常にテンパりながら返してきた。


「お、おお。じゃ、ま、早速作るとするか……その前に東城さんちょっといいか?」


 状況を知るために、未だジト目で睨んでくる東城さんを呼ぶ。


「……一体どういう状況だ。俺が買い物に言ってる最中になにがあった……?」

「……さあ? 知りませんの。自分で考えればよろしいんじゃありませんの?」


 しかし帰ってきたのは冷たい言葉だった。


「いやいやいや、知らないわけ無いじゃん。てか、何でそんなに不機嫌……!?」

「不機嫌じゃありませんの。本当に大した事はありませんのよ? ただ少しお話して、聞かれたことにお答えしただけですの」


「聞かれたこと? って……?」

「もういいですの? わたくしおなかが減りましたのっ! 不味ければ承知しませんのよ!?」


 東城さんは俺の疑問に答えてくれることなく、元いた場所に戻り、夜羽と雑談しだした。



 ――えぇぇぇ……な、なんなんだ!?







 食事が出来上がったので、早速食卓を囲む。

 ……そういえば、ここで三人以上で食事すんのは、本当に久しぶりだな……。


 まあ、今の、妙な空気じゃなかったら、もっとよかったんだけど。


「えーっと、どう、でしょうか? 東城さん?」

「…………………………美味しいですの」

「それはよかった」


 俺の料理の感想を、そっぽを向きながら答えた東城さんだが、その後も箸は進んでいるようなので、安心した。


 そして、チラリと夜羽を見ると、

「…………………………」

 一応、美味しそうに頬張ってはいるが、どうも意識して俺のほうを向かないようにしているっぽい。


 ほんとに、なんだろうか。



 …………あれ? てか、前にも何か似たようなことあった……気も……?








「神尾くん、今日はご馳走様でしたの。夜羽さんも誘ってくれてありがとうですの」

「いや、気にしないで」「ん……!」


 食事の後、多少は機嫌を直してくれた東城さん。

 だが、夜羽のほうはまだ、妙に戸惑い気味。


 東城さんも、機嫌は直してくれたが、どういう話を夜羽としたかは、教えてはくれてない。


「それではわたくしもう行きますの」

「ああ、じゃあまた、学校で」


 俺が何気なくそう言うと、夜羽はちらりと俺を見て、言った。

「ユリカ、また来て」

「え?」


 その言葉に東城さんはニヤリと笑い、

「ええ、もちろんですの。と言うことで神尾くん? では、また(・・)


 ……ああ、学校で(・・・)、じゃなくて、ここで(・・・)ってことか。

 これは事前打ち合わせありだな……。


「はいはい……」

 どうも今日は東城さんに負けっぱなしみたいだ。


 東城さんはドアに手をかけ、

「あ、そうですの神尾くん」

 たが、思い出したかのように俺に向きなおした。


「ん?」



 そして、

「自分の発言には責任を持ったほうがよろしいですの」

 と最後に言い残し、帰っていった。



 ……ん、そのセリフは最近どっかで聞いた……。




『発言には責任が付き物だからね?』


 ……あ。


『聞かれたことにお答えしただけですの』

『ん、わかった。シュンに聞かない』


 ……ああ。



『俺以外もだめだぞ? 高嶺に高嶺のお母さん、ヤジマ動物病院の人たち……後は飯田もだめだからな』


 ……ああぁぁ!



「よ、よよよよ夜羽さんっ!? つ、つかぬことお伺いいたしますが、東城さんに、何かお聞きに!?」



 俺がそう言うと夜羽は真っ赤な顔で、

「…………ん、シュンはユリカに聞いちゃだめって言わなかった」

 そう言い、自分の部屋に走っていった。



「…………さ、さて、どう、しよう」


 ………………うん、まず落ち着こう。

 東城さんがどういう風に話したかわからないんだし。




 そしてちゃんと落ち着いて、冷静になってから、夜羽と話そう。


 瞬君、自力で状況を把握いたしました。


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