彼女の思いつきの話。
ワタシは思いついたことがあったので、その為に必要なことを言うと、シュンもユリカも何故か固まってしまった。
「? ……どうしたの」
「いや、唐突な発言にビックリしただけが。……えっと、東城さんにも予定ってもんがあるだろう。いきなり言ったって」
「あ、えっと、わたくしは、一応、一言家に連絡を入れれば大丈夫だと思いますが……」
ん、二人とも何か戸惑ってるけど、
「大丈夫なら大丈夫」
「………………そうだね」「………………そうですの」
ワタシがそう言うと、何故か苦笑いで返された。
むー?
「んじゃ、とりあえず俺は買い物にでも言ってくる。東城さんは夜羽と二人で待っててもらえる? その間に連絡してもらって………………てか、東城さん。本当に大丈夫なのか? 連絡だけで」
ん、どういう意味だろう。
ワタシはよくわからなかったけど、ユリカはわかったみたいで。
「大丈夫ですの。家柄の割には自由にさせてもらってますし。一応信頼はされてるみたいですの」
「そっか」
シュンは安心したように言ったけど、その後ユリカはシュンに聞こえないように、
「まあ、もしかしたら監視ぐらいはついてるかもしれませんが……」
と言っていた。
ん……とりあえず大丈夫って言ったから大丈夫!
シュンはそのまま買い物に出かけて、ユリカは電話をしていた。
ユリカが戻ってきたので、色々話そうと思う。
そう思っていたら、ユリカから話しかけてきた。
「えっと、夜羽さん? わざわざわたくしを呼び止めたのは、何か話したいことでも?」
「ん、聞きたい事がある」
「聞きたいこと、ですの?」
「ん、プロポーズって、何?」
前にシュンには、話すまで待ってって言われたけど、やっぱり気になる。
それにあの時シュンは、ユリカに聞いちゃだめって言ってない。
……あの時はユリカのことはよく知らなかったけど。
今はシュンもいないし、ちょうどいい。
そう思って聞いたんだけど……。
「………………………………」
ユリカがまた固まっちゃった。
「ユリカ?」
「……はっ! よ、夜羽さんっ! い、いきなりなんですの!? プ、プロッ! プロポーズって……!」
「ん……? それが、何か知りたい」
「えっと……! まず、どうしていきなりそんなことを知りたいと思われたんですの?」
「む、前にシュンとイチロウがそのことについて話してるの聞いた」
「いちろう……あ、矢島獣医のことですのね。それで、神尾くんと矢島獣医はどんなことを?」
「ん、イチロウがシュンに『あんなプロポーズみたいなこと言って、それを別の人に聞かれちゃった』って言った。シュンはそれで動揺してた」
ワタシはあの時のことを思い出しながら言った。
「…………………………」
「……ユリカ?」
そしたらまた固まった。
「…………………………」
「ユリカ……?」
「…………………………」
「ユリカ」
む、今度はなかなか戻らない……。
んー…………シュンが戻ってくる前に教えてほしいな……。
夜羽さん、聞かないよう言われた事を、ゆっぴーに聞いちゃいました。
さて、どうなるのやら。