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黒い鳥さんと一緒。  作者: 蛇真谷 駿一
学校で一緒。
70/144

お嬢様の追求質問の話。

 予想していたことではありました。


 でも、その予想が当たっていたと知ったとき、やはり驚きましたの。



 そして神尾くんは夜羽さんの為にわたくしに黙っていてほしい、と。



 そんなの、当たり前じゃないですの。

 と言うか元々どうこうしようなんて考えてません。


 わたくしはただ、自分の知りたいことを確かめただけですの。



 でも、

「……今度は、あなたたちの事を聞かせてもらいますのよ? あなたたちの生活について……ね」

 それとこれとは別ですの。


 わたくしがそう言うと、神尾くんは引きつった顔で苦笑いをしました。


 ふっふっふ、今からわたくしをからかったことを後悔しても遅いんですのよ……!


「と、東城さん? 俺たちの生活って言っても特に変わったことは無いですよ……?」

「それはわたくしが判断することですの」

「くっ……!」


 今度はこちらがからかう番ですの。

 何かあったらすぐ、ですのよ!


 ………………夜羽さんはきょとんとしてますが。


「では、まずは軽いところから……あなたたちが一緒に暮らすようになってどれくらいになるんですの?」

 私の質問に、神尾くんは少し考え込み、

「……夏休みの中ぐらいだから……もうすぐ一ヶ月、か」

 と答えました。


 意外と期間は短いですのね。

 立ち込める雰囲気はかなり親しげでしたから、もうずいぶん長いかと思ってました。


 ……神尾くん、色々思い出して感慨にひたっている場合ではありませんのよ。


「次に、衣食住はどうしてますの? 住まいについては、ここで別の部屋を使ってもらってると言ったましたけど」

「あー、服は夏休み中に夜羽を連れて、いくつか買いに行った。飯のほうは、理由はわからんが、夜羽は人の姿のとき、食の環境も人と同じ風になってるから、俺と一緒の物を食ってる。最近は夜羽、人の姿でいること多いしな」

「ん」


「そうなんですの? でもそれだとかなりお金がかかるのでは?」

「…………そこも調査済みじゃない?」


 神尾くんが少し冷たい目でわたくしを見ますの。

 ……仕方が無いことですが。わたくしはそういう目をさせるようなことをしたわけですから。


「………………詳しい金額までは調べさせてませんの。言いたくなければ、かまいませんの」

「……じゃ、置いとこうか」


 とは言え……どうも、神尾君をからかえるようないい質問が……。

 んー、どうして神尾くんはわたくしをからかう言葉が簡単に出てくるんですの……?


「じゃあ、お風呂、とかはどうしてますの?」


 ……質問してみたはいいですけど、これもうまくかわされる気が……っ!


「………………」「………………」


 ヒットしましたの!

 何か神尾くんも夜羽さんも顔が真っ赤ですのっ! 絶対なんかありましたのっ!!


「かみ「いや、風呂は、あれだ、夜羽に元の姿に戻ってもらって、それで体を洗ってる」……へぇ」


 神尾くんが必死に平静を装いながら返してきました。

 夜羽さんもコクンッコクンッと首を縦に振ってますの。


 でも残念。


 神尾くんもまだ少し頬が赤いですし、夜羽さんに至っては未だ顔が真っ赤ですのよ?


「それにしては、神尾くんも夜羽さんも……顔、赤いですのよ?」

「うっ……! ……あれだ……風邪です!」


 む、それは前にわたくしが言った言葉。

 ふっふっふ、では今度はこっちが言って差し上げます!

「ふーん、急に、ですの?」

「…………急に、だ」


「そういう事にしておいてあげますの」

「……………………くそっ」



 初めて勝った気がしますの!!!


「……で、もう聞きたいことは?」

 神尾くんが若干不機嫌な顔で言ってきました。


「えっと、後は……わたくし以外に夜羽さんのことを知っている人はいますの……?」


 神尾くんは今まで隠してきたようですから、あまりいないとは思いますけど。

 飯田さんあたりは、知ってそうですの。


「ああ、東城さん以外は一人だけ。動物病院の矢島さん。そこも調べた?」

「……ええ、多少は。何度か足を運んでいるようですのね? お友達ですの?」


「友達って言うか、世話になってる、かな?」

「ん、ワタシの怪我も診てくれた」


「そうですの……って、けが?」


 聞いて無いですのよ? それは。


「元々怪我してる夜羽を見つけて、矢島さん所に運んだのから始まったんだよ。この生活」

「ん」


「そうでしたの……もう大丈夫ですの?」

「ん、全部治った」

「それはよかったですの」


 今は大丈夫と聞いて安心してますの。

 と言うか、本当に夜羽さんのことを気に入っているみたいですのね、わたくし。






 その後は、とりあえず、今まであったことを順番に聞いていきました。

 時折、答えてくれないところもありましたが。


 そうしている内に、時間も遅くなってきましたし、おいとましたほうがよろしいですね。


「では、神尾くん、夜羽さん。遅くなってきましたし、わたくしそろそろ帰りますの。聞きたいことは少しは聞けましたし」

「それはよかった。もう聞かないでくれ」

「嫌ですの。少しは(・・・)と言いましたの」

「………………」


 どうやら最後にはわたくしの完勝のようですのね。


 んっと、夜羽さんがわたくしの服を掴んでます。

「どうかされましたの?」



「ん、ユリカも一緒にご飯食べる」



「……………………え?」



 ふと神尾くんを見ると、彼も目を丸くしてましたの。


 ……えっと、どうしましょうか……? 


 東城さん視点……意外とうまく書けなかった……。


 感想お待ちしてます。

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