少女の困惑、友人の気遣いの話。
「…………………………………………」
……え? ど、どういうこと?
瞬君に、ゆりかちゃんが一緒にいて……え?
わたくしのことは遊び……?
ゆりかちゃんが瞬君に、遊ばれ?
ちょっ! え!? 学校でどんな話してっ!
……じゃなくて! えっと、瞬君、と、ゆりかちゃんが付き合って……?
でも、ゆりかちゃん遊ばれたって……。
じゃ、じゃあ、瞬君はゆりかちゃんを弄んだって……?
えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?
いやいや、え? ちょっと待って!
そんなわけ無い、瞬君はそんなことする人じゃない。
でもゆりかちゃんも嘘なんかつく人じゃなくて。
でも家に行くとかって。
えぇぇぇぇっと………………。
「うぅ? ぅぅ……」
な、なんか頭がパンクしそうで……。
「落ち着けぃ!! 飯田さん!!」
私が知恵熱で倒れそうになってると、藤森君が急いで駆け寄ってきた。
「うぇ!? 藤森君、あああああのね?」
「いいから飯田さんや。一旦落ち着こうじゃないか……」
「う、うん……」
「とりあえず、今飯田さんが想像してるような事じゃないから」
「ぇ!? わわたしが想像って……!?」
「いいから飯田さんや。一旦落ち着こうじゃないか……」
「う、うん……」
あれ? さっきも同じやり取り繰り返したような気がする……。
「それがわかるって事は、やっと落ち着いたと」
「あ、多分……うん」
ちょっと混乱しちゃったから、藤森君に迷惑かけたかな。
……あれ? 今、心読まれた?
「それじゃ、勘違いの謎解きといこう!」
私が不思議がっていると、何か軽い感じで話が始まった。
「それじゃ、えっと、勘違い……って?」
「とりあえず、さっきはどんな事想像してた?」
「うぇ!?」
藤森君の言葉に私は顔が熱くなってしまった。
うぅ……そんな恥ずかしい事、言わなきゃだめなの……?
「…………えっと…………「言いよどんでるってことは、ちょっとアダルトな事を想像したと」ふぇ!? …………うぅ……うん……」
藤森君がじっと私を見ていた……キチクだ……。
絶対私を恥ずかしい目に合わせて楽しんでるんだ……。
「そこが勘違い」
「……………………え?」
「神尾はそんなこと出来る奴じゃない。それは飯田さんが良くわかってるんじゃないのかい?」
「で、でもゆりかちゃんも嘘なんかつく子じゃないよ」
「委員長が言ったのは、自分が遊ばれたってだけ。それに関しては飯田さんもよく神尾に遊ばれてるように見えたけど?」
「え!? わ、私も……? …………あ、もしかして、からかわれたって事……?」
「そういう事。神尾自身もからかって遊んだって言ってたし、気になるなら委員長にも聞いてみればいいんじゃない? 嘘をつく子じゃないんだろ?」
「うん……」
「じゃ、これで勘違いは終わり」
「うん! 藤森君、ありがとう!」
ホッとした私を見て藤森君が呟いた。
「それにしても……」
「え?」
「飯田さん、意外とそういう知識は持ってるんだねぇ……お馬鹿な子から、ちょっとエロい子に認識が変わったわ」
「ちょっ!! やめて!! 変な認識持たないで!! っていうか元がお馬鹿な子って……ひどい!!」
藤森君ってば、優しかったり相談に乗ってくれたりもするけど、結構、毒吐いたりとんでもないこと言い出したりして……。
藤森君の性格がつかめない!!
……作者も藤森の性格が掴めなくなってきましたよ。
感想お待ちしてます。