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黒い鳥さんと一緒。  作者: 蛇真谷 駿一
学校で一緒。
62/144

委員長の奇襲と彼のカウンターの話。


 今日は学校に着くなりすぐに、委員長に絡まれた。


 ……なんでしょ?


「神尾くん、この前会った女の子、夜羽さん……でしたっけ? あの子にしっかり挨拶して無いことを思い出したので、今日はあなたの家に行きますの」


 ……………………。


「……えっと、東城さん、もう一度言ってはもらえませんか……?」

 俺がそう言うと、


「神尾くん、この前会った女の子、夜羽さん……でしたっけ? あの子にしっかり挨拶して無いことを思い出したので、今日はあなたの家に行きますの」


 一言一句間違いなく同じ言葉を繰り返された。


「それは……『行ってもいいですの?』とかの質問じゃなくて『行きますの』という断言ですか……?」

「もちろんですの」


「……………………」

「……そこまで露骨に嫌な顔されなくてもいいんじゃありませんの?」


 あんまり家に人を招くのは好きではないんです。


「どうしてわざわざ家まで来るんだ?」

「特に意味はありませんの。しいて言うなら、女の子と同棲しているという部屋を、チェックするためですの」


 何か、変に疑われてるということか?


「部屋は別ですよ。一人暮らしといってもワンルームとかじゃないですし」

「ああ、あなたは家族で住んでた家にそのまま住んで、っ…………ごめんなさいですの」


「……気にしないで下さい。大分前のことですし」

 やっぱり東城さんは俺の家の事情も知ってたか。


 一応、学校ではほとんど誰にも言ってなかったんだけどな。


 今は、知ってるのは教師と……飯田ぐらいか?







 このまま気まずい空気でいるのはさすがに、面倒なので、話を先に進めるか。


「とりあえず、あいつには両親が使ってた部屋で寝てもらってるんで、ゆっぴーが想像しているような事にはなってないよ」


「なっ! またゆっぴーって……! それにわたくし、そんな想像してませんの!!」

 そう言って一気に顔が赤くなった東城さん。


そんな想像(・・・・・)、ね。顔が赤くなってるけど、どんな事を想像したんだろうか?」

「――――っ!!! か、神尾くん!!」


「だって俺は特に誰かが赤くなるようなことは言ってないと思ったけど? なんでゆっぴーは赤くなったのかな?」

「うぅ……っ! か、風邪気味なだけですの!」


「へぇ……いきなり風邪気味に、ねぇ?」

「そ、そうですの!!」


「まあ、そういうことにしといてあげよう」

「しといてあげるって! わたくしは!!」



「さて、ゆっぴーで遊ぶのはこれくらいにして、話を戻そうか」



「あ、遊っ!! わ、わたくしのことは、遊びでしたの!?」



 焦ったように叫ぶ東城さん。


 ……最近、飯田や東城さんみたいな派手なリアクションとってくれる人()遊ぶの、面白くなってきた。


 ちょっと前まではこういう、騒がし目の人と関わるのは面倒なだけだったんだが……。

 うん、確かに俺は変わってきてるらしい。


「家に来なくても、夜羽に挨拶できればいいでしょ。とりあえず、放課後に公園の……そうだな、アイス屋の前で」

 ……ん、でも夏休み終わったけど、アイス屋まだあるかな……? まあ、あるだろう。


「………………わかりましたの。今回はそれで妥協しますの。でもそのうちにあなたの家にも行きますのよ!!」


 勘弁してもらいたいな…………。














 そういえば、東城さんと話してる最中、時々教室中がざわついてたな……。



 なんだったんだろう?



 周りには東城さんの一部分のセリフが聞かれてましたー。

 それがざわついてた理由です。


 どの部分かは……わかりやすいですね。

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