彼女の質問、彼の返答の話。
家にて瞬君、質問されます。
ちゃんと答えられるでしょうか?
イチロウのところから帰ってきて、早速ワタシは、話題になっていた『プロポーズ』について、シュンに聞いてみた。
「シュン? プロポーズって、何?」
「……さて、そろそろ腹減ったな。飯にするか」
む、それは答えじゃない。
ん……でも確かにお腹すいた。
ご飯にしよう。
ご飯の後、改めてシュンに聞いてみた。
「シュン? プロポーズって、何?」
「……せっかくケーキ買ったんだし、食べるか」
「ん、食べる」
そうだった。ケーキがあった。
まず、そっちが先。
ケーキはおいしかった。
満足したから、もう一回聞いてみる。
「シュン? プロポーズって、何?」
「……今日は疲れたなぁ。風呂にしよう。あ、夜羽を先に洗うから、元の姿に「シュン?」……」
今、気がついたけど何かシュンが話を逸らそうとしている。
……なんだろう。
「シュン、プロポーズについて、帰ったら教えるって言った」
「…………ち、違うな。『今度話す』と言ったんだ」
「む………………」
ワタシはジッとシュンを見る。
シュンは口元を引きつらせてて、ちょっと汗もかいてる。
何かを誤魔化そうとしてるのは明らか。
――そうだとしても、
「……ん、シュンが話したくないなら、聞かないし、聞けない」
シュンがわざわざ隠したりするのは、ワタシには聞かせたくないことなんだろうし、無理に聞いちゃだめだと思う。
……でも、なんだろう……シュンに隠し事されるの、ちょっと、苦しいし、何か、やだ……。
「おいー!? そんな顔すんなよー!?」
シュンに声をかけられて、ワタシは顔を上げた。
顔を上げたって事は、ワタシは無意識に俯いてたんだ。
シュンはそのまま話を続けた。
「話したくないとか言えないんじゃなくて……っとだな、言いづらい……じゃなくて、説明しづらいだけだって! だから、うまく言えるようになったら、言うから!」
「……ほんと?」
「ほんとだ!」
なんだ、隠し事じゃないのか……。
よかった。
ワタシが内心ホッとしてると、シュンが心配そうにこっちを見ていた。
多分、ワタシがまた辛そうな顔しちゃったんだと思う。
「ぷっ……!」
シュンの妙に焦ったような顔を見て、ワタシは少し笑ってしまった。
「何でいきなり笑うんだよ……。まあ、とにかくその話については俺がちゃんと教えれるようになるまで、保留な? 夜羽も聞いてくんなよ?」
でも、まだ少し気になるし……あ。
「ん、わかった。シュンに聞かない」
明日は一人でホタルのところに行ってみよう。
「……………………俺以外もだめだぞ? 高嶺に高嶺のお母さん、ヤジマ動物病院の人たち……後は飯田もだめだからな」
「む、バレた」
いい考えだと思ったのに。
はい、解決! ……じゃなくて、瞬君は先送りを選択しました。
今後この話題が出てくるのでしょうか……!?
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