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黒い鳥さんと一緒。  作者: 蛇真谷 駿一
学校で一緒。
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少女が巻き込む尾行の話。


「まったく瞬君ってば、ゆりかちゃんとはお話してたのに、なんで私の話は聞いてくれないのかな!?」

 私は朝の事を思い出しながら散歩していた。



 今日は寝坊したせいで朝から猛ダッシュだった。

 途中藤森君とも合流して(藤森君も寝坊)何とか二人ともギリギリ学校に間に合ったの。


 そして藤森君と他愛も無い話をしながら教室に着くと、瞬君の席の隣にゆりかちゃんが立って何かを話しているように見えた。


 少しの間それを見てると、話が終わったのかゆりかちゃんは自分の席に戻って、瞬君はすぐに机に突っ伏した。

 一瞬こっちを見た気がしたから、私たちが来た事には気がついてるはずなのに。


 その後私と藤森君が瞬君に話しかけても、全部無視されたの。

 たまに返事しても全部『ソーデスネ』って!


 ……前まではあんまり気にしてなかったけど、ゆりかちゃんと瞬君って仲いいのかな……?




 瞬君はいつも人との間に壁を作ってるような気がしてた。

 学校では、瞬君と仲が良く見えるクラスメートもいるけど、やっぱり深くまでは受け入れない。


 いくら話しかけても、話はするけど心は開かない、みたいな……。

 とにかく皆に対して愛想よく振舞ってた。


 だからその瞬君が唯一気を許しているように見えた、ヤジマ動物病院の人たちがとてもうらやましかった。



 でも最近の瞬君は少し変わったと思う。

 瞬君が皆に対して愛想が悪くなった。


 本来なら、駄目な事のような気がするけど、それは瞬君が人に対して、壁を作らなくなってきたって事。


 ――少しだけ私にも心を開いてくれるようになった気がする。


 最初は私だけかな? 何て考えてたけど、違った。

 そんなに仲が良くなかった人に対しては、今までどおり愛想よく振舞うけど、クラスの皆に対しては素の瞬君を見せるようになってた。


 瞬君自身は気づいてないようだったけど、クラスのほとんどはその事に気づいてた。



 ……だから正直、今までと違って瞬君の近くに誰かいると気になってしょうがない。





 どうして瞬君が急に変わり始めたか理由はわからないけど、


「むー……何か納得いかない……」

 そんな事を考えながらふらふら歩いていると、前方にその考えてた人物を見つけた。


「あ、瞬君――――」

 声をかけようとしたが、後ろにもう一人いるのを見つけて、少し躊躇う。

 ――あれは、夜羽ちゃん……? まだ夏休みなのかな?


 ここまで考えたところで、ある考えが浮かぶ。

「……そういえば、瞬君が変わり始めたのって、夜羽ちゃんが来た頃ぐらいから……?」



 とりあえず今、一度声をかけれなかったせいか、その後もなんとなく話しかけづらくなってしまった。


 そのままなんとなく尾行を続けていると、

「どうしようかぁー……あ、ファミレス入っちゃった……」


 一人でファミレスに入るのは躊躇われたが、愛美の中にこのまま帰ってしまうのは面白くないといった感情が出てきていた。


 そこに不幸にも通りかかってしまったのは、

「あ、志戸塚君?」

「――っ! ………………」

 志戸塚竜刃その人である。


 ゆっくりと逃げようとする志戸塚君を捕まえ、私はファミレスに入る。


「いらっしゃいませですのー」

「え!?」「!? ……」



 そして、そこでバイトをしている人物に驚いちゃった。

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