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黒い鳥さんと一緒。  作者: 蛇真谷 駿一
学校で一緒。
39/144

学校の彼と家の彼。

 続きですよ。

 始業式の日から授業があるってのは生徒にとって苦痛以外の何ものでも無い。


 適当に授業を聞き流し、気がつけば昼休みだった。


「神尾飯だ。購買へ急ぐぞ!」

「いや、今日から弁当だ」

 今まで、作るのが面倒だったので、購買で昼食を買っていた。

 しかも自分で買いに行くのも面倒なので、藤森に手数料を渡して買ってきてもらうようにしていた。


 だが、今は夜羽の昼食を作るついでにと、自分の弁当も作ってきたのだ。


 そんな予想外に衝撃を受ける藤森。

「何! ……まさか、飯田さんに」

「違う。自分だ」

「マジか……どういう心境の変化だ?」

「うるさい。ついでだ。てか早く行かないと何もなくなるぞ」

「お、おお……一体何のついでか気になるが、まあいい行ってくる」


 そう言って藤森は駆けていった。


「瞬君。お昼、一緒に食べ「嫌です」うぇ!? 言い終わる前に!」

「藤森と一緒に食べるからな」

「じゃあ、藤森君も一緒に」

「何言ってる。あいつはお前がいるとどこかに行ってしまうじゃないか」

 要するに間違った気を使おうとしているのだが。


 そんなことを知る由も無い飯田は、

「そうなんだよね……藤森君、私がいるといなくなっちゃうんだよね……嫌われてるのかな?」

 若干凹んでいた。


「とにかく、飯田は別な奴と「嫌ってないよ!? 飯田さん! 気を使っているだけさ! まあ、今回は神尾が照れてるらしいから、俺もご一緒するが」……余計なことを」


 この教室からはだいぶ離れているはずの購買に行った藤森が、脅威のスピードで帰ってきた。

 しかも盗み聞きしてたらしく、大幅に勘違いした事を抜かしながら会話に参加する。


「ほんと? じゃ、一緒に食べよう!」

「おうとも!」

「…………はあ」


 ため息が出てしまうのは仕方が無いと思う。


 ――そして志戸塚。哀れむ様な目でこちらを見るな。





 放課後、なにやら飯田も藤森も話しかけてきた気もするが、面倒くさそうだったもので、全て無視してさっさと学校を出た。



 俺は家に帰る途中、冷蔵庫の中身が少なくなっているのを思い出し、とりあえず近くのスーパーに目的地を変えた。


「……なんか、込んでる」


 肉コーナーに足を運ぶと、そこには数人の人だかりが出来ていた。

 どうやら、タイムセールが行なわれるようだ。


 その情報を手に入れた俺は当然、

「めんどそうだから、他のを買うか……」

 面倒くさいからとその場を離れようとする。


 がしかし、ついていないことにタイムセールが始まってしまい、


 ドドドドドッ!!!!

 

 後ろから押し寄せてくる人だかりに押し込まれてしまった。


 数分で物がなくなったのか人だかりは消えていった。

「…………こ、怖かった」

 恐怖する俺の手には、タイムセールの豚ばら肉があった。


 抜け出そうと暴れるうちに、偶然手に入ったものだ。

「まあ、いいか。怖い思いもしたんだし」


 特に豚ばら肉は要らなかったんだが。


 が、何事も安く済むならそれでいい。



 だいぶ疲れた顔で帰路につく。



 俺は家のドアの前で、鍵を探したが、

「ああ……鍵は持って出なかったんだったか」

 と、家の中で待つものがいることを思い出し、頬を掻く。


 学校が始まったこともあり、少しだけ頭から抜けてしまったのだ。


 ガチャッ

「ん、おかえり」

 すぐに出迎えてくれた夜羽。


「……ただいま」

 その感覚に、改めて若干くすぐったくなりながらも答えた。



「さて、今日は何して過ごした?」

「ん、言うけど……シュンも」

「あーそうだな。じゃ、お互いに報告するか」

「ん」


 俺と夜羽は一日に出来事を話し始める。

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