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黒い鳥さんと一緒。  作者: 蛇真谷 駿一
夏休みで一緒。
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獣医さんのここ最近の考えの話。

 短いです。

 神尾君がカラスとの生活を始めてもうすぐ二週間になる。

 彼の夏休みもそろそろ終わる頃だ。

 何度か遊びに来てくれるが、学校が始まると、それも少なくなるのだろう。


 神尾君はどうも最近、僕に何かを打ち明けようかを悩んでいるようだ。

 それがどんな事かは見当もつかないが、できる限り支えてあげようと思う。


「そういえば神尾君、誰かと一緒に住んでいるんだったっけ?」

「ええ、どうも血の繋がりのない親戚で、夜羽ちゃんというかわいらしい女の子らしいです」

 答えてくれたのは、春川君。

 彼女はどこから仕入れてくるのか、神尾君つながりの話を良く知っていた。


「そうなのか……。血が繋がらないとはいえ、親戚の方がいたのか。前に親御さんが亡くなったとき、誰も引き取り手がいなかったと聞いていたから、てっきり誰もいないものだと」

「そうですね? でも、疎遠になっていたのなら仕方がないのでしょう……」

「ああ。そうだね。でも良かった。出来るだけ、神尾君を一人にしないほうが良いと思っていたんだ。彼は辛いときほど一人になりたがるところがあるからね……」


 僕は何度も神尾君が辛そうな顔をするのを見ていた。


 それは誰かが家族の話題をした時。

 それはいろいろな場所で家族睦まじい場面を見た時。

 そんな時いつも彼はこっそりとその場を離れるのだ。


「そうですね……。……でも、それとは別に年頃の男の子と女の子を一つ屋根の下に置いている状態はいかがなものかと思いますね」

「あー……でも、親戚だって」

「血の繋がらない、ですよね?」


 確かにそう考えると、倫理的に問題がありそうな気もする。

 しかし、

「神尾君がわざわざそんなことをするとは思えないんだけど……」


「……確かにそうですね……」

「一応気をつけるよう言っておくかな?」

「はい」


 とは言え、神尾君はどうも他人の好意に鈍感なところがある。

 正直、言ったところで何の事だかわからないといった表情をするに違いない。



 最近同じようなパターンばかりで、代わり映えがない気がします……。


 そろそろ、どうにかしなくては……!


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