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黒い鳥さんと一緒。  作者: 蛇真谷 駿一
夏休みで一緒。
25/144

家での彼と彼女のそうだ、状況を整理しよう。の話。


 帰宅するなり瞬は、倒れ込むように、ソファーに突っ伏した。


「ふー、なんか今日は疲れた……」

「ワタシはそれなりに楽しかった」

「……そっか。ならいいんだ。それより、一人になってからどんなことして過ごしたんだ? 高嶺さんとも何か話したんだろ?」


 蛍にはさん付けはしないでいいと言われていた瞬だが、まだ慣れていないのと、本人がいないことで、つい、さんを付けてしまった。

「ホタルにはさん付けはいらないと言われてた」

「…………」

 しかし、夜羽に注意され、沈黙してしまう。


「……いや、本人いないし」

「でも、つづけないと慣れるものも慣れない」

「…………」

 その台詞は、夜羽に服を着させたり、動きの練習のときなどによく瞬が言う台詞。


 もちろん、瞬がそれを聞かないわけにはいかない。



「……で、どんなこと話したんだ?」

 正論には負けると判断した瞬は話を先へ進めた。


「……にげた。……いいけど。だいじょぶ。ホタルにワタシのことがばれるようなことは話してない」

「いや、それは別に……」

「?」


 心底わからないと言った顔をする夜羽に、瞬はため息をつきつつ、


「友達との会話がどんなんだった? って聞いてるんだよ。楽しかったんだろ?」


「……一人なってからは、アイスクリームを買いに行った。……その時のテンインは、とてもいいニンゲンだった! ホタルとは、……イヌについて話したのと、一人で買い物できたこと話した。……楽しかった」

「そっか。よかったな?」

「……よかった」


 それを聞いた瞬は満足げに笑い、

「あ、そういえば夜羽、歳聞かれたときすぐに答えてたけど、あんなもんいつ決めたんだ?」

 気になっていたことを口に出した。


「ん、さっき。ホタルに歳を聞かれたとき。……だめだった?」

「いや、問題ないけど、意外と妥当な年齢だったから驚いただけ」

「ホタルが自分と同じぐらいに見えるって。だからホタルとおんなじで」

「なるほど……考えたなー」


 素直に感心していると、夜羽が何かを聞きたそうにしている。

「?」

「…………シュンは一人になってから、何してた? イイダマナミと一緒にいた」

 何故か半眼でこちらを見てくる夜羽に、瞬は戸惑いを感じながら答える。


「い、いや。たまたま夜羽とわかれた後に会って……てか、何か怒って、る……?」

「……別に」


「?? じゃ、飯にでもするか?」

「……ん」


 状況をあまり把握できてない瞬。

 空気はいまだ、妙に気まずいまま。







「ああ、そういえばケーキ買ってあったんだ。飯の後にでも食べるか?」

「……けー、き?」




 その後、食事の後に出されたケーキに、夜羽はえらく感動し、夜羽の機嫌もその場の空気も一気に回復した。



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