ある出会いと彼女の衝撃の話
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ワタシはとても疲れていた。
なれないこの姿での行動に加え、あのテンインという奴らはとにかく話しかけてきては、ワタシに服を着せる。しかもそのたびにシュンに見せに行き、一言シュンが言うとまた、ワタシに服を着せていった。
いったい何だというのだ。
大体、一回一回シュンに見せる必要はないと思う。
そのせいで何度顔が熱くなったか。
「(やはり、これは全てシュンのせいだ!!)」
怒りを乗せて隣に座っているニンゲンをにらみつけ
「? あれ?」
ようとしたが、そこにシュンは居なかった。
周りを見回したが、近くには居ないようだ。
「むむ! ワタシを置いて一体どこに!」
ワタシは立ち上がって、探し出そうとした。
「悪い! 待たせたな!」
立ち上がった直後、遠くから声が聞こえ、その方向を見ると、シュンが駆けてくる。
手にはなにか持っているようだ。
「……なにを」
「これ」
「?」
シュンが手渡してきたのは、何かの筒に白く丸い物がのっかているものだった。匂いから察するに、食べ物のようだ。
「これは?」
「アイスクリームっていうやつ。まあ、食べてみな?」
シュンが食べられないものを持ってくるとは思わなかったが、恐る恐る、少しだけ口に含んだ。
「!!!」
何だこれ! 冷たいものが口の中に入ってきたと思ったら、徐々に溶けていき、さらにその間にも、口の中には味が広がっている! しかも、おいしい!!
冷たいものだったので、がっついて食べることは出来なかったが、ワタシはすぐにその、アイスクリームを租借していった。
「喜んでいただいたようで何より」
「!!」
チラッとシュンを見ると笑顔でこちらを見ていた。
なんとなく恥ずかしくなり、誤魔化すように咳払いをした。
「こほん。……とりあえずさっきのは許す」
実際、アイスクリームのおかげで先ほどまでのイライラは吹き飛んでいた。
「そりゃどうも」
シュンは相変わらず笑顔のままだ。
「…………もう一個」
「だめ。食べすぎはよくない」
「……けち」
ワタシの文句も聞かなかったように、シュンは話を進めていく。
「とりあえず、もう少し休んでから、家に帰るか……」
「………………家」
頭に浮かんだのは、自分がすんでいたはずの場所。
今、あそこはどうなっているのかは全くわからない。
調べにいこうにも怪我が治らない事には始まらないと自らに言い聞かせてはいたが、ふと思い出してしまった。
「………………大丈夫か?」
シュンもワタシの様子に気づいていたようで、心配したように訪ねてくる。
「大丈夫。問題ない」
「……そう。じゃ、そろそろ帰るか。家に」
「……どうして……」
――シュンがわざわざ同じ事を言ったのは、今ワタシが帰る場所はシュンの家だと言いたいのはわかった。
でも、わからないのは何故ワタシをそこまで気遣ってくれるのかという事。
「俺ん家にいるからだ」
「?」
「理由や状況はどうあれ、今夜羽が俺ん家に住んでいるのは確かだ。面倒は嫌いだが、親の教えで家に招いた相手は自分に出来る最大限のもてなしをしろって言われてんだ」
「でも、招いた訳じゃない」
「招いただろ? ベランダの窓開けて。それに理由や状況はどうあれとも言ったろ? 死んだ親の教えだ。破るような真似はしたくない」
そう言ってシュンは笑った。
――やっとわかった。面倒くさがってはいるけど、シュンはいいやつだ。ニンゲンの言葉で確か……そう! オヒトヨシだ! シュンはオヒトヨシだ!
「なんか、非常に不本意な評価をもらった気がするぞ・・・・・・」
「そんな事ない。そろそろ帰ろ?」
「……ああ」
今後の展開は浮かんでるんですが、どうつなげるかが悩みどころです。
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