表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黒い鳥さんと一緒。  作者: 蛇真谷 駿一
修学旅行で一緒。
142/144

彼の二日目夜の話。3

大変お待たせいたしました……。

危うく一年たってしまうところでした……。

 志戸塚の言葉にものすごく動揺してしまったが、すぐに落ち着く。


 ――思い出せ。東城さんの時に一度経験してるだろう。落ち着いて話すべきだ。



「……どうして、そんな結論に至った」

「………………………………神尾瞬が委員長にするアイコンタクトの意味……僕が読み取れない理由も……ない」


 無茶苦茶な理由。

 普通なら一蹴するような理由……だが、いつも志戸塚と目線だけで意思疎通をしたりしていることもあり、その答えはある意味、的を射ていた。


「……それに……今日読んだ古書の中に………………君たちの状況に似た昔話が、書かれていた」

「! なんだそれ……あ、あの時の本の中に?」


「そう…………」

「じゃあなんで「僕は………………わざわざ彼女の正体を暴くなんて、面倒なまねはしない……」……ま、お前なら、そうか。……なら何で今」


「風呂場での会話で……神尾瞬が、妙に考え込み始めた……。それには、明確な答えがある。……そう、言いたかった」

「それが、動物に好かれやすいって……?」

 だから、夜羽が「なんか好き」って言ったって言いたいのか……?


「そう……」


 って、つまり俺は志戸塚にまで気を遣わせてたと。


 志戸塚の言葉に、つい黙り込んでしまう。

 そんな俺を見て、俺の内心を読んだように、志戸塚が続ける。


「……気に、しなくていい…………今回の事は忘れていい……これからも今まで通りの接し方で、いい……」

「……ああ、わかった。ありがとう」


 俺の言葉を聞くなり、また完全に黙りだし、目をつぶり眠りだした志戸塚。

 すごく疲れた顔をしているので、本気で喋りつかれたのだろう。




 ただ、そんな志戸塚に一つだけ言っておかなければいけないことがある。



「志戸塚、確かにあの言葉を気にはしたし、少し考え込みもしたが、それは別に……あれだ、同居人として、こう……何となく気になっただけだからな? 別にあいつがお前を「なんか好き」って言ったことに対して、あれこれ複雑な思いに至ったわけでは決してないからな?」


 そんな俺の言葉に志戸塚は、眠っていた眼をゆっくりとあけ、心底呆れたような目で見てきた。

 そして目で語りかけてくる。



 ――――忘れていいって言っただろ。



 志戸塚はその後また眠ってしまった。



 その後、数分した後に、うるさいのと田中が戻ってきた。

「遅くなった! 買ってきたぜぃ! ……って、一人寝てるし!!」

「うるさいですよ、眠ってるなら放っておいてあげてください」


「でもさ、せっかく飯田さんがトランプを誘ってきたのに」

「飯田が?」


「おう! 飲み物階に行く途中でな。委員長たちの部屋で一緒にやろうってさ」

「へぇ……よく認めたもんだ。……いや、渡さんあたりが認めさせたのかな?」


 渡さんのニヤリとしてる顔が目に浮かぶ。


 なんてことを考えていると、不思議そうに田中が聞いてきた。

「というか、神尾君聞いてないんですか? おかしいですね、飯田さん僕たちに伝えた後、自分で神尾君に伝えに行くと言ってたと思ったんですが」

「? いや、飯田は来てないが」


 俺の返事に、藤森もまた口を開いた。


「そうなのか? この部屋の近くから走ってどっか行くの見えたから、てっきり俺たちも飯田さんが神尾に伝えたもんだと思ってたんだが」



「飯田が……走ってどっかに…………?」


次回も未定です。すみません

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ