少女の考え中の話。
遅くなりました!
…………ど、どうしよう。
白ちゃんのとこから瞬君が戻ってきたから、話しかけようと思ったら、夜羽ちゃんの大胆行動で、でばなをくじかれちゃったよぅ。
ううぅぅぅ……そもそも、藤森君が変なこと言わなきゃ、こんなに不安にならなかったのにー……。
『幼馴染の女の子って、なんかこう……トキメクよね』
……瞬君も、そうなのかなぁ……。
なんか家族みたいな空気出してたから、何となく気にしてなかったけど……どうなんだろ。
さっきまでは二人きりだったし、何話してたんだろう……ゆりかちゃんが聞いた時も、はっきり答えなかったし……。
「う、ううぅぅー…………」
「何を唸ってるんだ?」
「うぅ? うわきゃっ! 瞬君!?」
私が頭を抱えてると、瞬君と夜羽ちゃんが目の前にいた。
「そうだけど……何語だ『うわきゃっ』って」
「どどどどうしたの?」
「無視か。いいけど。どうしたのはこっちのセリフだが? さっきから珍しく静かだ。珍しく」
「そ、そうかな……? ……!? 二回も珍しくって言った!?」
「え、珍しいし。……なあ?」
瞬君が隣にいる夜羽ちゃんに聞いたら、
「ん」
即答で首を縦に振られた!
「夜羽ちゃんまで! ひどい!」
「それはまあいいとして、どうした」
「いくないけど……えっと……な、なんでもない」
「そうか。それはまあいいとして、どうした」
「何事もなかったかのようにやり直した!」
「それはまあいいとして、頭どうした」
「また同じこと……かと思ったらこっそり馬鹿にされてる!?」
「で?」
「うぅ……大したことじゃないよー……瞬君、白ちゃんと二人で何話してたのかなぁ……って」
そう、ポソッと言ってみると、瞬君は明らかに目をそらしだした。
――やっぱり話してくれないかなぁ? って考えてたら。
「ん、それはワタシも気になる」
夜羽ちゃんからの援護も入った。
「…………別に大した話はしてないよ。単なる昔話と、現在の状況を話しただけ」
「昔、話……?」
……あ……そっか、確か白ちゃんって、瞬君のご両親が亡くなる前からのお友達……。
わ、私……無神経なこと聞いちゃった。
「あ、しゅ、瞬君、ご、ごめんなさい……!」
「ん? ……ああ、いや、別にそこまで暗い話だったわけじゃないし、気にすんな」
「……うん、ありがとう」
…………よし! とりあえず、一旦白ちゃんの事は置いておこう!
白ちゃんも強敵だけど、私がもっと頑張ればいいんだもん!
それで、この話を終わりにしようと思ったら、夜羽ちゃんがポツリと口を開いた。
「それだけ……?」
「え?」「おあ?」
私と瞬君が二人して夜羽ちゃんを見る。
夜羽ちゃんはちょっと怒ったような顔で瞬君を見ていた。
その夜羽ちゃんはジッと瞬君を見つめて、ゆっくりと瞬君の顔に自分の顔を近づけ……――って!! ええ!?
「はっ!? え!? 何!? ちょ、夜羽さん!?」
夜羽ちゃんの行動には瞬君もびっくりしたみたいで、焦って後ろに下がろうとしたけど、いつの間にかに夜羽ちゃんにつかまってて。
「ちょっ! よ、よよよよよ夜羽ちゃん!? だだだだだめだよっ!! ず、ずるいよ!!」
私が慌てて止めに入ろうとしたら、夜羽ちゃんは瞬君の口のあたりに鼻が近づいたところで動きを止めてから、少しして一言。
「シュン、アイス食べた」
「「え?」」
「シュンからアイスの匂いする。しかもあのアイス屋のアイス。……ずるい」
「「…………………………」」
……あ、あー……匂い嗅ぐ為に、顔近づけたんだ……。
「……え……っと、ごめん。なんか甘いもの買うから許してくれ」
「ん、わかった」
夜羽ちゃんはその言葉で納得したのか、元の位置に戻った。
「…………吃驚した」
「…………そ、うだね……」
私も瞬君も変に勘違いして慌てちゃったから、妙に気まずい空気になっちゃった……。
「さ! いつまでもここにいないで、そろそろ出発しますのよー」
は! 天の助けならぬ、ゆりかちゃんの助け!
「あ、ほ、ほら瞬君! 早くいこ!?」
「ん、あ、ああ」
瞬君と夜羽ちゃんと三人で皆と合流する。
皆といる分には、とりあえず気まずい空気にはならないから助かったぁ……。
……………………あ、あれ? そ、そういえばなんか、夜羽ちゃんの行動で、さっき私、さらっとすごいこと口走らなかった……?
そう思って瞬君を横目でチラッと確認したけど、一応気づいてる様子はなさそう。
ま、まあ、瞬君テンパってたし…………とりあえず、よかった……のかな?
当然この会話の一部は、『見守る会』の二人がこっそり見てました。
飯田さんの発言もしっかり聞いてたり。
ちなみに東城さんは、志戸塚君とお話し中(目で)
……更新ペースを元に戻すためにも、今月中に二つは更新したい……けど、何も浮かんでないから、目標は一つ更新で……。
感想お待ちしております!!