修学旅行、部屋での一日目、夜の話。
修学旅行定番タイトルっぽいですが……。
「いやしかし、驚きましたよ、色々。話をお聞かせ願いたいですねー」
「田中……言いたいことはわからんでもないが、志戸塚は喋らんと思うぞ?」
自分たちに振り分けられた部屋に戻ると、田中が志戸塚に向かって話しかけていた。
「ああ、神尾君。やっと戻ってこれたんですね。お疲れ様です」
田中の言うとおり、夜羽の事は意外としつこくクラスのやつらに聞かれたわけだ。
夜羽の方もだいぶお疲れっぽかったし、後で労っとかんと。
「まったくだ。そもそも何が聞きたいのかがわからん。それはそれとして、志戸塚はほっといてやれ。そもそもが口を開くのは稀だ」
「……そのあたりは神尾君らしい反応です。……と志戸塚君は……そのようですね」
田中は笑いながら答えた
俺らしい反応とはなんだ……?
……とりあえず、置いておく。
「つーか田中もさっさと休め。明日から身が持たんぞ」
「おや? 珍しくやる気ですね。明日の自由時間は遊び倒す気で…………いや、違いますね。神尾君が言ってるのは、明日以降の夜の話ですね……?」
俺の言葉の意味を悟り、すぐに返してくる田中。
その言葉に俺は軽く口角を上げる。
「さすが、もう気が付いたか。だが甘いな。志戸塚はすでに理解して、もう寝に入ってる」
そう言い、志戸塚を指さす。
「………………」
「本当です! アイマスク耳栓のフル装備です!」
田中の質問攻めが終わった瞬間に睡眠行動をとっていた。
素早くはあるが、答える気はないのにわざわざ田中の質問が終わるのを待ってから寝るって……相変わらず妙に律儀な。
「さて、俺もさっさと休まなきゃならん。何故なら……………………――――そう……明日以降では藤森が部屋割りに入ってるからな!」
「…………彼は良くも悪くも賑やかな方ですからね」
「見なくてもわかる。あいつは「修学旅行で寝るとかありえないだろ!」とか言うタイプだ」
「無駄に定番の好きな子とか聞いてくるタイプですね」
「と言うわけで、さっさと寝る」
「……うーん、恐らく藤森君が神尾君に聞くであろう話は僕も聞きたいところではありますからねぇ。……ん、と言うことは、わざわざ僕が聞かなくても、明日藤森君をうまいこと使って聞けばいいですね。……なんだ、僕が悪い印象を与える必要なくていいです」
「ん? なんか言ったか?」
「いいえ? 特には」
「…………………………さすがに腹黒い」
「……志戸塚君、耳栓あんまり役に立ってないみたいですね。もしよろしければ僕の持っている分をあげますよ?」
「………………いただこう。…………別に言う必要もない」
「いいんです? では……それで」
「んー? まだ起きてるか?」
「いえ、もう寝ますよ」
「……………………」
なんか、志戸塚が話してた気もするけど……まあいいか。
「あ、そういえばその藤森君も大変ですよね。戻ってすぐ呼ばれてから、まだかかっていますよ。カツアゲ疑惑」
「………………あ」
ヤベ、忘れてた。行っといたほうがいいか。
修学旅行の定番は二日目以降と言うことで。
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