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黒い鳥さんと一緒。  作者: 蛇真谷 駿一
修学旅行で一緒。
117/144

行き先決定後、教師たち……の話。

少しだけ早めに更新。


……ちょっと早く出来たからと言って、こんな自分の首を絞めるような行為してしまうお馬鹿な自分です。



今回は教師たちのお話です!


「ということで、教室で一悶着はありましたが、無事落ち着き、生徒たち皆で一致団結して楽しもう! と笑い合っていましたー」


 修学旅行の行き先決定後、放課後の会議で報告するのは、実は教室での騒ぎをこっそり見ていた、瞬たちの担任教師だ。


「おおぉ、いいねぇ! 青春だな!」


 その報告に校長は嬉しそうに手を叩いた。




 毎年、どこか一クラスは隣町、もしくは二つ隣を引くクラスはあった。



 その中にはやはりテンションの低いまま、楽しいはずの修学旅行をただやり過ごす生徒も出てきてしまうこともある。


 本来、今の時間はそういった生徒をどうすれば元気にさせることができるかを話し合うための会議であった。



『学校は面白ければいい』


 創設者が言ったとされるその言葉を守るための会議とも言える。



 だが今回、唯一近郊の場所を引いてしまった彼のクラスは、全員落ち込むことなく、皆で楽しむことを決めた。


 校長は生徒たちの行動を心の底から嬉しく思っていた。

 性格や行動はどうであれ、生徒の事を思う心は、教育者としてのものであるよう。




「ええ、自分もあいつらのことを誇りに思ってますよ」


 彼は少しだけ微笑みながらそう言う。



 そして校長はにこやかに告げる。



「いいねぇ、今年は彼らと一緒に修学旅行に行こうかな?」



 この言葉に彼は固まり、同時に海外に修学旅行が決定しているクラスの担任数名が、見えないように小さくガッツポーズをとる。



 毎年大体が海外に修学旅行が決まったクラスと一緒についていく校長。


 だが、その性格ゆえ、あまり歓迎はされてない。


 全クラスでの修学旅行のため、各クラスに万が一のための医者と看護師が、ついて行くことになっている。

 つまり、唯一校長のストッパーである保険医の先生は、毎年この時期は休みなのだ。


 稀に教頭がストッパーを買って出てはくれるが、基本的にはノリやすいタイプの教頭。

 校長が調子に乗れば、さらに乗っかることの方が多い。


 ちなみに今は、我関せずを通している。

 ――教頭は今年、温泉に行きたいと言っていたので、恐らく温泉がある地域に行く修学旅行組についていくのだろう。




 校長の言葉を受けた彼。


 固まった笑顔を崩さず、口を開いた。



「…………校長先生。うれしい申し出ですが、今回自分自身、生徒たちに色々任せてみようと思うんです。生徒たちが皆で計画して、皆で楽しむ。そこに大人が入り込んでしまっては、気持ちも冷めてしまうかもしれません。ですので、あまり自分たち大人がかかわらず、出来るだけ自由にやらせてみたいんです。もちろん、何かあればすぐに手助けに行ける位置にいるつもりですが。……校長先生、宜しければ、あの子たちを――自分の生徒たちを、信用してみてはくれませんか……?」



 真剣な顔つき(を作って)で校長に問いかける。



 校長はその言葉を受け、


「そう、だな。生徒たちには生徒たちのやり方がある、か。わかった、今回は遠慮させてもらおう。だが、しっかり報告してくれよ」


 そう言った。


「はい」

 変わらず真剣な顔つきで答える彼だが、内心うまくいった! と大歓喜であった。


 校長と彼のやり取りを見ていた周りの教師たちは拍手を始める。


 全員同じように笑顔だった。


 が、数人は心の中で舌打ちをしていたことであろう。









 基本的放任主義な瞬たちの担任。



 彼のおかげで、瞬や志戸塚が嫌いな面倒事を一つ回避できたのであった。

教師皆様名無しさん。


名前……付けてあげた方がいいんでしょうか?


担任とか保険医とか。



感想お待ちしております!!

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