12、冒険者ギルド その2
はい、遅くなってしまい申し訳ございません。
フェイルド「触れるな!」
ガバドー「ぐっっ!いてえじゃ、ぐあっっっ!!!」
俺はガバドーの伸ばした右腕を足で蹴り上げ、そのまま胴体を蹴り、ガバドーはギルドのテーブルを壊しなが壁に衝突した。
俺は、起き上がろうとしているガバドーの背中を踏む。
フェイルド「おい、ここで死ぬか、土下座して謝れ!」
俺がガバドーに強引に謝罪をさせようとしたその時、
トルク「ああ!すみません!すみません!違うんです!これは演技なのです!で、ですよね?マリーさん!」
は?演技?
マリー「そうです!フェイルドさん!これはギルド側が頼んだことなのです!本当にすみません!」
ガバドー「フェイルドの旦那、こんなに怒りを買ってしまうとは思ってなかったんだ。すまねぇ、」
俺は冷静さを取り戻して、マリーさんから話を伺う。
フェイルド「それで、演技とはどういうことなのでしょうか?」
マリー「あのですね、冒険者登録には実力テストなどが存在せず、実力を測れないのです。ですので新規の方は、先輩方からの洗礼という形で実力を確認することになっています。ガバドーさんも一応ギルドからの依頼で行ってもらっていました。本当に申し訳ございません!」
そういうことだったのか。立ち向かう勇気と、その実力を測るのが主旨かな。てか、最初の依頼で実力はある程度分かるんじゃないのか?
フェイルド「なるほど、そういうことでしたか。こちらも暴力沙汰にしてしまい申し訳ございません。」
トルク「謝んないでくださいよ!演技とはいえ悪いことには変わりないっすから。ほんとすんませんした。」
ガバドー「俺も悪かったよ。そこの嬢ちゃんの腕を少し掴むだけで、危害を加えるつもりは一切なかっかたんだ。ほんとすまない。」
ヘレナ「ちょいと割り込ませてもらうけど、最初の依頼で実力は測れないのかい?」
それよ!俺も思ってたことだ。ヘレナ先生ナイス!
マリー「本当はそうしたいのです。ですが、数年前からここ一帯に強い魔物がでるようになってしまって、初心者の死傷者も多くなってしまいしまい。大方、大地の魔力が何らかの影響で大きくなったことが原因だとは判明しているのですが、解決方法がなく、仕方がなくこのような方法で行っているのです。」
大地の魔力のせいなのか。そんなでかい魔力どうしようもできなくない?
ヘレナ「事情は把握したよ。大地の魔力が原因なら解決方法はあるね。」
いや、あるのかよ!んなの誰にできんの?
マリー「ほんとですか?!」
ヘレナ「そうだね。うちの団員ならできるよ。流石に一ヶ月程度はかかるけどね。」
うちの旅団にいらっしゃった!こんなの初耳よ!大地ってことは、土魔法を使えるエルミアかダウスかな?
マリー「一ヶ月だけでですか?!これはギルマスを呼んで検討した方が、」
おっと、隣にいるミリアが時間を取られすぎて、ご機嫌斜めになってきているようだ。
フェイルド「マリーさん、すみません。今日は少し急用がありまして、急がないといけないのです。ですので後日にその仲間を連れて来ますので。」
マリー「そ、そうですね。分かりました。後日スムーズに進められるよう、報告はしておきますので。」
フェイルド「それでお願いします。」
これでひとまずセーフ!お米を探さないといけないからな。
マリー「あっ!ガルドーさんの治療を忘れてた!ガルドー大丈夫ですか?!」
ガルドー「大丈夫ではあるけどよ、腕と肋骨は折れてるぜ。」
マリー「それは大丈夫ではないです!ど、どうしましょう!ここまでの怪我は考えてなく、ハイポーションがありません!」
治療か。アリアにやらせてみるか。魔法がどんなものか見てみたいしな。
フェイルド「治療が必要ならばアリアにしてもらいましょう。アリア、ガルドーさんを回復してあげてくれ。」
アリア「分かりました。パーフェクトヒール」
アリアがガルドーに両手をかざした途端ガルドーが光りに包まれ、明らかに折れている右腕と肋骨の怪我が瞬く間に治っていった。
これが魔法!この世界に来て初めて見たけど、やっぱすごいな!キレて少し強めに蹴っちゃったけど、こんな簡単に治るのか。
ガルドー「っ!あ、あれ程の怪我が一瞬でだと!?高位のポーションか神官レベルだぞ!今金が無いんだ、少し先でいいか?必ず払うからよ!」
マリー「こ、これ程の回復魔法は!アリアさんはどこかの神官様なのですか?」
アリア「いえ、そのような大層なものではなく、ただの回復魔法士ですよ。それに料金もとりませんよ。」
まぁ、神官よりも位の高い聖女だけどな。これ知られたら大事待ったなしだな。あまり上位魔法は使わせない方がいいのか?いや、俺たちの実力の証明にもなるからいいのか?うーん、分からんな。
ガルドー「い、いいのか?アリアだったか?ほんと助かった、ありがとよ。んでさっきはすまなかったな。それにしても、このレベルの回復魔法士に、さっきの蹴りをいれたフェイルドの旦那。あんたら本当になにもんだ?冒険者じゃないなら貴族お仕えの傭兵とかか?」
ここは嘘じゃなくてもいいな。
フェイルド「私たちは世界を旅している天ノ明星という旅団の者です。他にも団員がいますが、今は北の平原にいますね。今日は食料調達に来たのです。そしてそのついでに冒険者登録をと思いましてね。」
ガルドー「なるほどな。急用ってのが食料調達ってことか。てかよ、その仲間さんたちもあんたのように強いのか?」
フェイルド「そうですね、ある程度は。そういえば、市場的なものはどこにあるのですか?」
マリー「市場街はこの街の南の方にありますよ!」
ミリア「お米、ある?」
おっと、ミリアが口を挟むということは、かなりやばいな。ちょいと急がないと不味いか?
マリー「お米?そうですね、この街の市場にはないかもしれませんね。」
知らないと言われないなら、この世界にお米があるってことだな。でも、この街になかったらミリアが暴れるかもしれないんだよな。今、ムッとしてるわ。
ガルドー「ちっこい嬢ちゃん、米を使った料理を出す店なら知ってるぞ。」
ミリア「ほんと!」
うわ、すげー笑顔になりやがった。ちょろすぎないか?お兄さん、少し不安になってきたよ。
ガルドー「ああ、貴族街の近くにある店だな。俺は入ったことはねぇが、タパラって言う高級レストランだ。香辛料をふんだんに使っている料理だそうだ。米自体も遠くの東の国からのもんで高価なんだよ。貴族ぐらいしか食えない代物ってことよ。」
香辛料を使った料理か。俺も少し食べてみたいな。
フェイルド「その情報はとても助かります。それでは、そろそろ市場に向かいますので、今日のところはこれで。色々と教えていただきありがとうございました。」
よし、ひとまず南の方に向かうか。
フェイルド一行はギルドを出て、町の南側に向けて歩いていった。
てか、それにしてもムサシが大人しいんだがなんかあったのか?
不定期がたまらないと言いつつ、ここまでの間が空くと罪悪感がぱないです。
次は早めに出しますので。
感想!レビュー!ブクマ!よろしくお願いします!
誤字報告もあったらよろしくお願いします!