10、ラズリオ
遅れてすいやせん。
街に近づくにつれて、人が多くなっているな。それにあの列は、ああ、入門のチェックか。それにしても、異世界初めての街か~!凄い楽しみだな!
ラスタ「フェイルドさんたちよ、この列を見ればわかると思うが、少し待つことになるがすまんな。」
フェイルド「いえいえ、そんなことは気にしていませんよ。お世話になっている身ですからね。」
ロマル「こちらこそ、フェイルドさんのおかげで素晴らしい取引ができるというもの!感謝してますよ!」
いやいや、街に入る代金を払ってもらってるから、ほんとに頭が上がりませんわ。
待つこと数分、門番から声が掛かる。
門番「はーい次の人、身分証を出してくださいねー。って、ラスタじゃないか!道中大丈夫だったか?」
ラスタ「コマー、久しぶりだな!ちょいと魔物がでてきたくらいで、怪我もなしだ!」
コマー「流石Bランクだな!それよりも、そっちの五人組は誰なんだ?見たことない奴らだが。」
Bランクは凄いのか?上から何番目だろうか。基本的なラノベだったら一番上はSだが。
ラスタ「ああ、こいつらはラック平原の近くで会ってな、初めてこの大陸に来たからとラズリオに案内してたんだ。」
コマー「ふむ、名前と身分証を見せてくれ。」
フェイルド「はい、私はとある旅団を率いているフェイルド・メイニクスと言います。そして、こちらが順に団員のムサシ、アリア、ヘレナ、ミリアです。私達はこの大陸に来てから冒険者登録というのはしたことがないので、身分証は持っていないのです。」
コマー「家名があるのか?!あんたもしかして、どこかの貴族さんか?!」
この国の人は名字を持っていないのか。家名を持つ者は貴族と。覚えておこう。
フェイルド「いえ、私達の生まれた国では皆が家名を持つのは当たり前でしたので。こちらの四人もそれぞれに家名を持っていますよ。」
コマー「なるほどな、確かに遥か東の大陸には平民が家名を持つ国があるとか聞いたことがあるな。了解だ。んで、身分証が無いなら大銅貨三枚だな。大陸ごとに貨幣も変わるが、この大陸の貨幣は持っているのか?」
フェイルド「それもまだ持っていないのです。ですので、こちらの商人であるロマルさんと取引して関税の支払いをしてもらえるようにしたのです。」
ロマル「そうですね。フェイルドさんがとても質の良い宝石をお持ちでしたので、それを売ってくれる変わりに、ということです!こちらがこのお方達の関税です。」
コマー「そういうことなら良いだろう。よし、入って良いぞ。冒険者登録か商人登録のどっちかはした方がいいぞ。いちいち関税が掛かりたくもないだろ?」
フェイルド「はい。冒険者登録をしてみることにします。コマーさん、これからもよろしくお願いたします。」
コマー「ああ、よろしくな!くれぐれも、変なことは起こすなよ?」
フェイルド「肝に命じておきます。では。」
よっしゃ~~!異世界初めての街じゃ~!ここには何があるのか。もしかしたら大人のお店とかもあるのか?いつか探索せねばな。社会見学だ。決して現世の俺が童貞だったからとかじゃない。社会見学だ。
こうして、ラズリオの門をくぐることができた。ロマルさん曰く、冒険者登録にも料金が掛かるそうなので先に取引をすることになった。
ロマル「こちらが私の商会、ロマルズ商会です!ささ!中にはいってください!」
フェイルド「とても立派な商会ですね。では、少し大人数になってしまいますが、失礼します。」
かなり大きな建物で、店の雰囲気はとても明るく数人の客が見える。売り物としては、冒険道具に服、生活用品に家具、アクセサリーと様々な物を揃えている。
うわ、この服金ぴか過ぎないか?貴族とかが買うのかな?
店内を進み、奥の応接室に通された。
ロマル「お待たせ致しました。それでは買い取りを始めていきましょうか!」
フェイルド「そうですね。こちらが、先ほどのルビーです。」
ロマル「お~!やはり、何度見ても素晴らしいルビーです!では、先ほど提示した金貨五枚!また、これからもよい関係を繋いで行きたいので一枚追加で金貨六枚!これでどうでしょうか!」
金貨六枚ってことは、六百万円か?!そんな大金になるのかよ。
フェイルド「ええ、それでいいですよ。それでも良いのですか?先ほどは金貨五枚でしたが。」
ロマル「良いのです!なぜなら!アクセサリーにしたらかなりの値段の品に進化するからです!相場より高額ではありますが、この質の良さ!引く手数多になりましょう!」
なるほど、アクセサリーか。アリスに加工してもらうのもありだな。
フェイルド「それならばよかったです。ここまで恩のある方に損をさせてしまってはいけませんからね。」
ロマル「フェイルドさんも素晴らしい御仁ですよ!では、こちらが金貨六枚になります。」
フェイルド「はい、六枚ちょうど。」
ロマル「いやはや、とてもいい取引をすることができて嬉しいですな!」
フェイルド「こちらも資金が必要でしたので、とても助かりました。本日は大変お世話になりました。後日また来ますので、その時は買い物をさせてもらいますよ。」
ロマル「ほんと、フェイルドさんのような御仁と知り合えて素晴らしい日ですな!」
フェイルド「こらもですよ。それでは。」
ロマルズ商会を後にして、買い物よりも先に冒険者ギルドに赴くのだった。
冒険者ギルド、楽しみやね~
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