1、プロローグ
小説初心者ですので、お手柔らかに。
「もう、こいつらともお別れか…」
俺は、これまでの10年間ファルビオンというMMORPGをしてきた。ファルビオンとは、自身でキャラデザしたキャラたちと旅団を結成して、各国のダンジョンを攻略したり、他の旅団と戦闘したりできるゲームだ。
ファルビオンは当時、多種多様なキャラデザインができ、かなりの人気がでたが、一瞬でブームが過ぎ去った。一緒に始めた友人たちの最終オンラインが9年前で止まっているくらいだ。どうせキャラデザだけして飽きたのだろう、、
「これまで色んなことがあったな~」
それで、俺がこいつらといったのは、ファルビオンでキャラデザした自慢の15人の仲間たちのことだ。1体に2時間くらいかけて制作した最高傑作だ!もちろん、強さも申し分ない!なんたって、世界一位を維持しているからな!
そう、この男はファルビオンで八年前から旅団ランキング一位を維持し続けているのだ。
何故こうも一位を維持できたのか。それは旅団の団員数によるものだった。通常であれば、10人なのだ。しかし、特定の条件により運営からキャラの枠を貰うことができたのである。イベントやランキングなどの報酬に不定期で団員の枠が入れられたのだ。俺は最初のイベント報酬に入っていた枠をなんとか手に入れることができた。イベント期間中は1日三時間睡眠くらいで、起きてる時間はぶっ通しでプレイし続けた。誰も達成することなどできないと思われていたミッションをクリアして手に入れることができたのだ。運営からも驚いたと俺宛に通知が来るほどだった。
それからは正直ヌルゲーだった。一人追加されるだけで簡単にランキング一位をとれるようになった。また、不定期にある枠の報酬のあるランキングやイベントなどでも、簡単に枠を手に入れることができ、全プレイヤーの中で唯一の団員が15人の旅団になったのだ。
このファルビオンには沢山の思い出がある。フレンドとダンジョンに潜ったり、旅にでたり、戦略の検証をしあったりなど、本当に楽しかった思い出しか残っていない。今思えば、ファルビオンは俺の人生そのものだったのかもな。
「と、思い更けるのもここまでた!今日は最後のファルビオンだからな酒でも飲むか!」
俺は、旅団員が全員写っているホーム画面をそのままにしてビールを取りに行った。
「あったあった~」
椅子にかけ、ビールを飲み始めた。
「かっーー!うまい!やっぱこれだよな~」
「それにしても、ほんっと可愛いしかっこよすぎるよな~こいつら」
「俺のキャラデザが最強だったお陰かな!はっはっはっー!」
そう言って急に笑い始めた。
「でも、明日になったらお別れか、、」
そう言って急に泣き始めた。
「何でもっとサービス継続できないんだよ、運営のバカヤロー!」
そう言って急に怒り始めた。
感情を制御できないほどに酔ってしまっていた。そこから喜怒哀楽のオンパレードをして日をまたぐ前に寝てしまったのだ。
23:59:58
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突如として、パソコンの画面が眩しいくらいに光だし、部屋が真っ白になってしまった。その光が収まると、その部屋には誰も居なくなっていた。
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「ーード!ーイルド!フェイルド起きてよー!」
「、、ん、うん?ここどこだ?」
気がついたら、全く知らない草原にいた。は?え?マジでどこなのここ、
「やっと目覚めたー!フェイルドが死んじゃったのかと思ったじゃない!」
フェイルド?この俺が?何故?フェイルドはファルビオンで最初に作った団長キャラじゃ、ん?この女性は、
「もしかしてエルミアか?」
目の前にはよく見知った女性が立っていた。こいつは俺がキャラデザしたエルミア・アスタルクという賢者だ。銀髪で小柄な、魔女のような帽子を被っている少女である。
「はー?なに言ってるの?ほんと大丈夫?どこか頭でも打ったの?」
「いや、すまない、エルミア、」
もうこれアレ確定じゃね、異世界転生。だってさエルミアがいて、俺がフェイルドって呼ばれてるのは確定でしょ、てか夢じゃないよな?
「なーに自分の頬つねってんのよ!ここは現実よ!私たちだって驚いてるんだから!」
自分の頬をつねったら怒られた、
「驚くとは?異世界転生したことか?」
「転生?この場合は転移でしょ!フェイルド、いつもの聡明さの欠片もないわよ?」
転移だと?俺はファルビオンの世界にフェイルドとして迷い混んでしまったのではないのか?もしかして、ここはファルビオンの世界ですらないのか?!ほんとにこの世界で生きていけるのだろうか、
ストーリー考えるのってこんなに難しいんだ、