第80夢 田んぼの草とりに新しい風、の夢
今日は田んぼの草とりです。
手で草をとるのはたいへんな重労働です。
しかし、寺では新しい道具が登場するようです。
村の田んぼでようやく田植えが始まったころ、寺の田んぼでは、すでに植えた稲がしっかり根付き、すくすくと育っていた。
直まきした田んぼでも、小さな稲の芽が一列に並び、見事に整った景色を作り出している。
「すごいなぁ……」
弟子の一人が感嘆の声を漏らした。村の田んぼでは、まだ泥だらけになりながら田植えをしているというのに、ここではもう稲がそよそよと風に揺れているのだ。
「今日は除草作業ですよ!」
元気な声が飛んできた。ミツが手に持っていたのは、見たこともない農具——鋼鉄の小さな歯車が並んだ田車だった。三郎がお坊さまから教わって作った自信作である。
「この田車を押せば、稲の列の間に生えた雑草を根こそぎ取れるの。もちろん、手で抜くよりもずっと早くて楽ですよ!」
「おおー! すごい道具だな!」
弟子たちは目を輝かせ、早速田車を押してみることにした。ガタガタと音を立てながら、鋼鉄の歯車が泥の中を転がり、雑草を根ごと引き抜いていく。
「うわっ、けっこう力がいるぞ……」
「でも、かがんで手で取るよりは楽だな!」
「よし、どんどん進めるぞ!」
弟子たちは汗を流しながらも、楽しそうに田車を押していった。新しい技術を使うのは大変だが、それが作業の効率を大きく上げると実感できるのは嬉しいものだった。
すると、少し離れた直まきの田んぼから、ひときわ大きな歓声が上がった。
「すげえ……馬が田車を引いてるぞ!」
「長い田車だなあ。」
そこでは、馬の「あくり」が横に長い田車を引きながら、ゆっくりと田んぼを進んでいた。横に広がった鉄の歯車が、泥の中をかき回しながら、どんどん雑草を抜いていく。
「うおーっ、さすがに馬は力持ちだな!」
「あくりがやってくれるなら、人間は小さな田んぼだけでいいな!」
「ああ、馬が入りにくい、小さな田んぼだけ、人間が草とりすればいいんだな。」
「これなら、除草作業もあっという間に終わるぞ!」
弟子たちは感動した様子で、あくりの力強い動きを見つめていた。
「田植えもしてない、草取りも楽……これなら、お米づくりがもっと楽になるな!」
「これ、村の人たちにも教えてあげたいよな!」
「うん、こんなに楽な方法があるって知ったら、みんな驚くだろうな!」
そんな話をしながら、弟子たちは田車を押し続ける。泥だらけになりながらも、どこか誇らしげだった。彼らの手によって、寺の田んぼには確実に新しい時代の風が吹き始めていた。
ほんとうに草とりはたいへんですから、助かりますね。




