第73夢 神社なら酒が飲めるんじゃないか、の夢
神社が見つかったことで、弟子たちに意外な良いことがあるようです。
夜の寺。囲炉裏の火がパチパチと音を立てる中、弟子たちは囲んで座っていた。今日の出来事、つまり山の神社が見つかった話で盛り上がっていた。
「でさぁ、神社が見つかっただろ?」
無気力な弟子が話を切り出す。
「ということはだぞ? また仕事が増えるんじゃねぇか?」
「うわぁ……」
「掃除に、修理に、雪かき、やるのか?」
「雪かきは、三郎先生の融雪剤があるだろ」
「せっかく畑仕事が落ち着いたのに、また大変じゃないか……」
弟子たちは一斉にため息をついた。神社を直すのは立派なことだが、確かに手間がかかる。雪の降る中、屋根の修理や床板の張り替えをしなければならないのかと思うと、気が重い。
そんな中、お調子者の弟子がニヤリと笑った。
「いや、待て待て。仕事が増えるって話ばっかりしてるが、いいこともあるんだぜ?」
「え? いいこと?」
みんなが怪訝そうな顔をする中、お調子者は大げさに両手を広げた。
「神社ってのはなぁ……寺とは違うんだよ!」
「どういうことだ?」
「寺じゃ酒は禁止されてるだろ? でもな、神社は……」
「……はっ!」
誰かが息をのんだ。そして次の瞬間——
「酒が飲める!!!」
「おおおおっ!!」
弟子たちの間に歓声が巻き起こった。
「そうか、寺では酒は禁止だけど、神社ならいいんだ!」
「ってことは、正月には……」
「酒盛りができる!!!」
「ばんざーい!!!」
急に盛り上がる弟子たち。さっきまで神社の掃除がどうのこうのと文句を言っていたのが嘘のようだ。
「こりゃやるしかねぇな!」
「よし、雪かきも掃除も修理も気合い入れるぞ!」
「酒のためならがんばれる!」
「正月にはどぶろくを用意しよう!」
「肝煎さまに頼めば、酒も分けてくれるんじゃないか?」
「いや、金はあるんだから町で清酒を買ってもいいじゃないか。」
「めんどうくさいから黙ってたけど、俺は隣村の出身だから実は山伏神楽を踊れるぞ。」
「新年の祝いで村を回って酒をもらいながら踊ってもおもしろいな。踊り教えてくれよ。」
先ほどまでとはまるで別人のようにやる気を出す弟子たち。
こうして、弟子たちの心はすっかり神社再興へと向かっていった。目的はもちろん、正月の酒盛りである。
さて、そううまくいきますか?




