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第60夢 らくらく肥料散布機の夢

肥料散布機を馬に引かせて、らくらくと肥料をまきます。

夏の終わりが近づき、空気も少しずつ涼しくなってきた。

あれから何度も切り返した堆肥はどうなっただろうか。

ミツと弟子たちは堆肥のできぐあいを確かめにやってきた。刈草を積み上げていた堆肥はすっかり茶色くなり、手に取るとサラサラとした感触になっている。


「すごい……立派な肥やしになりましたね!」


弟子たちは感心しながら、手のひらに肥やしをすくい上げて眺める。ミツは満足そうに頷いた。


「今日は、この肥やしを畑にまきますよ。」


ミツがそう言うと、


「肥やしをまくのって、重くてつらい作業なんですよね。でも、がんばります!」


妹弟子が気合を入れて言う。

すると、ミツは「そう思いますよね」と言ってニヤリと笑った。


その言葉を待っていたかのように、三郎が馬を引いてやってきた。


「おおっ!? なんだこれ!」


お調子者の弟弟子が驚きの声を上げる。三郎が連れてきたのは、馬の「あくり」だった。そして、あくりが引いている荷馬車のようなものの底には、大きな穴が空いている。


「この荷馬車……底が抜けてるぞ!」


弟子たちは不思議そうに覗き込む。荷馬車の底の穴には金具のようなものが取り付けられている。


荷馬車のようなものに積んで持ってきた、スキのような道具を三郎がおろしはじめた。スキに似ているが、先が鋼でできていて大きく広がり縁が少し立っている。


「こちらも新しい農具で『すこっぷ』です。」


「さあ、ここに肥やしを載せてください。」


ミツがそう言うと、弟子たちは半信半疑のまま、言われたとおりに肥やしを荷馬車に載せ始めた。


「すこっぷ、って便利ですね!」


荷馬車のような仕掛けのうえにたくさんの肥やしが積み上がった。

果たして、どんな仕掛けがあるのか——みんなの期待が高まる。


三郎が馬に軽く合図を送ると、「あくり」はゆっくりと歩き出した。それと同時に、荷馬車の車輪が回り、底に取り付けられた金具が同時に回転し始める。


「おおっ!? 何だこれ!」


お調子者の弟弟子が驚きの声を上げる。荷馬車の底から、まるで粉雪のように肥やしが均等に畑へとまかれていくではないか!


「すごい! こんなに楽に肥やしをまけるなんて!」


「重労働だと思ってたのに、馬に引かせるだけで勝手にまかれていくんですね!」


「力持ちな馬と便利な機械、いいなあ」


弟子たちは次々に驚きの声を上げ、目を輝かせながら荷馬車の動きを追った。ミツは満足げに頷く。


「これなら、たくさんの肥やしを一気にまけますね!」


「三郎さん、こんなすごい農具を作れるなんて、やっぱり天才ですね!」


感激した妹弟子が三郎を見上げて言うと、三郎は少し照れくさそうに笑った。


「お坊さまから教えていただいたんですよ。これで作業がだいぶ楽になるはずです。みんな、どんどん肥やしを載せてください。」


弟子たちは張り切って次々と肥やしを運び、荷馬車のような肥料散布機に積み込んでいく。こうして、新しい農具のおかげで、畑一面にたっぷりと肥やしがまかれていった。


次は畑を耕す作業だ。


妹弟子のひとりがミツに話しかける。


「馬に馬スキを引かせて耕すんですね?馬は10人分の仕事をするから便利ですよね。」


ミツがニヤリと笑って腰に手を当てて答える。


「うちのあくりは、30人分の仕事をするんですよ!」


「ええっ!30人分!?」


弟子たちが驚く。


次も便利な機械が登場します。

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