第57夢 みんなで気持ちよく草を刈る夢
三郎の素晴らしい草刈り鎌で、みんな気持ちよく仕事をします。
第57夢 みんなで気持ちよく草を刈る夢
朝の澄んだ空気の中、寺の台所から立ち上る湯気が、陽の光に淡く照らされていた。
ミツと三郎、そして十人の弟弟子・妹弟子たちは、炊きたての玄米ご飯と、具だくさんの味噌汁、たっぷりの大豆の煮物と漬物をお腹いっぱい食べた。
「こんなに食べられるなんて夢みたいです!」
妹弟子の一人が嬉しそうに笑うと、ほかの者たちも次々に頷いた。
「食べることは働くことの基本ですからね。しっかり食べて、元気に働きましょう。」
ミツが優しく微笑みながら言うと、皆が力強く箸を置いてご馳走さまでした、と唱和した。
食後、全員で荒れた田畑に向かった。草はぼうぼうに生い茂り、まるで森のようになっていた。
「この草を夏のうちに刈って肥やしにして、馬で耕して、秋に大麦と小麦をまきます。」
「これを全部刈るのですね……大変そうですね。」
無気力そうに呟く弟弟子に、三郎はにこりと笑って鎌を取り出した。
「心配無用。私の打ったこの鎌があれば、あっという間ですよ。」
そう言って、鎌をひとふりすると、太い草がスパッと切れた。
「おお!」
弟弟子・妹弟子たちは驚きの声を上げた。三郎が十人のために打った草刈り鎌は、まるで魔法のような切れ味だった。
一人ずつ手に取ると、皆、試しに草を刈ってみる。
「すごい!こんなに軽く切れるなんて!」
「私でも楽に刈れます!」
「三郎様はすごい鍛冶職人なのですね!」
口々に感嘆の声を上げる弟弟子・妹弟子たち。
ミツは得意げに腕を組み、まるで自分が鎌を打ったかのように胸を張った。
「そうでしょう、そうでしょう!三郎さまの鎌は天下一なのです!」
三郎は少し照れたように笑いながら、
「さあ、どんどん刈っていきましょう!」
そう言って作業を始めると、皆も勢いよく草を刈り始めた。
荒れ果てていた田畑に、次々と陽の光が差し込み、広々とした土地が姿を現していった。
昼時になり、一同は作業の手を止めた。
大きな竹の笊には、握りたての玄米おにぎりが山盛りに盛られている。漬物もたっぷり添えられていた。
「いただきます!」
皆が勢いよく手を伸ばし、それぞれおにぎりを頬張った。
「うまい!」
「労働のあとの飯は格別ですね!」
頬をほころばせながら、弟弟子・妹弟子たちは次々におにぎりを頬張った。外で汗を流した後の食事は、どんなご馳走よりもうまい。
刈った草の山を見ながら、誰からともなく声が上がった。
「ずいぶん刈りましたね。」
「みんなで力を合わせたからだな!」
互いに労をねぎらいながら、満足そうに頷き合う。
すると、一人の妹弟子がふと疑問を口にした。
「ところで、刈った草を堆肥にするのはいいですが、発酵するのに半年以上かかりますよね?これでは秋の麦の種まきには間に合わないのでは?」
その言葉に、ほかの弟弟子・妹弟子たちも顔を見合わせた。
「そういえば……そうですね。」
「それじゃ、今年の麦は無理なんですか?」
「おれ、麦飯にとろろをかけて食べるのが好きなんだよなあ」
皆が不安そうな表情を浮かべた。
ミツはそんな彼らに、にっこりと微笑んだ。
「大丈夫です。『かがくひりょう』を使えば、堆肥は50日で立派に仕上がります。」
その言葉に、一同は驚きの声を上げた。
「えっ、たった50日で?」
「半年以上かかるものが、そんなに早く?」
「そんなことが本当にできるのですか?」
弟弟子・妹弟子たちは半信半疑の様子だった。
ミツは自信たっぷりに頷いた。
「実験で確かめました。『かがくひりょう』をうまく使えば、発酵がぐんと早く進みます。だから、この草も秋の麦の種まきに十分間に合うのです。」
驚きと感心の混じった表情で、弟弟子・妹弟子たちはミツを見つめた。
「そんなすごいことが……!」
「『かがくひりょう』って、ただの肥やしじゃないんですね!」
「それはすごい。麦をたくさんまけますね。」
数人が興奮して叫び、他の者たちも期待に胸を膨らませた。
ミツは力強く頷いた。
「そうです。だから、みんなで力を合わせて頑張りましょう!」
弟弟子・妹弟子たちは、一斉に明るく返事をした。
「はい!」
みんなでどんどん仕事をしますよ!




