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第56夢 お寺の布団で見る夢

その後、皆で夕飯を囲んだ。


炊きたての玄米はおかわり自由。


大豆と野菜の味噌煮も、味噌汁もおかわり自由。


「なんてこった!こんなに食えるなんて!」


感激する男たち。


「う、うまい……」


涙ぐむ娘もいた。


お調子者の男が「三郎さま!ミツさま!一生ついていきます!」と叫ぶ。


場が和み、皆が笑い声を上げた。


男子は三郎の部屋へ、女子はミツの部屋へ。


少し部屋は狭いが、ふかふかの布団が人数分敷かれていた。


「布団で寝られるなんて……!」

「これが布団か!」

「おれは街道の宿で布団で寝たことあるぞ!」


感激する若者たち。

彼らの家では、ムシロや藁の中で寝るのが当たり前だったのだ。


夜が更け、寺の静寂の中に虫の声が響いていた。

女子たちが寝る部屋の隅で、一人、布団にくるまって小さくすすり泣く声が聞こえる。

ミツはそっと近づき、優しく声をかけた。


「眠れませんか?」


娘は驚き、涙を拭おうとするが、うまく隠せない。


「……すみません。迷惑をかけるつもりはありませんでした。」


ミツは静かに座り、優しく微笑んだ。


「無理に眠らなくても大丈夫ですよ。何か悩んでいるのなら、話してくれませんか?」


娘はしばらく黙っていたが、やがてぽつりぽつりと語り始めた。


「……私は、家族に売られたのです。寺で働くようにと言われ、ここに来ました。でも、本当は家にいたかった。私は……いらない子だったのですね。」


ミツはしばらく黙って聞いていたが、静かに首を振った。


「あなたは、決していらない子なんかではありません。」


娘は驚いたようにミツを見た。


「でも……私は家から追い出されました……。」


「違いますよ。あなたの家族も、きっと暮らしが苦しかったのでしょう。だからこそ、あなたにここでの仕事を託したのではないでしょうか?」


娘は涙をこぼしながら首を振る。


「そんなはず……。」


ミツは優しくその娘の手を握った。


「ここでは、あなたはもう一人ではありません。家族に頼れなくても、ここで新しい家族をつくればいいのです。私たちは、あなたを仲間として迎えました。あなたがここで幸せになれるよう、私も三郎さまも、みんなも力を貸しますよ。」


娘の目から、ぽろぽろと涙がこぼれた。しかし、先ほどまでの悲しみだけの涙ではなく、どこか温かいものが混じっていた。


「……本当に、ここで生きていけますか?」


ミツは力強く頷いた。


「ええ。私たちと一緒に頑張りましょう。」


娘は涙を拭い、かすかに微笑んだ。


「……ありがとうございます。」

その夜、娘は心穏やかに眠ることができた。


若者たちが寝静まったころ、お坊さまが帰ってきて、若者たちを本堂に集めた。

もちろん、本当に本堂に集めたのではなく、ミヤザワケンジ2.0が自室で寝ている若者たちにそんな夢を見せたのである。


お坊さまは、石灰窒素のようなよく効く肥料は危険もあるので、若者たちに兄弟子である三郎と、姉弟子であるミツの指示をよく聴いて働くように言った。


男たちのなかには女性の指示を受けることにわだかまりを持つ者もいたが、姉弟子の言うことを聴くようにお坊さまに言われると、姉の言うことを聴く弟のような素直な気持ちになるのだった。


米や麦の収穫が今までの倍になり、飢えがなくなる、と言われて若者たちは目を丸くした。ひとびとの幸いのために働くようにお坊さまに言われて、若者たちは決意を新たにするのだった。



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