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第50夢 化学肥料を使おう その3 驚きの収穫、未来への希望の夢

いよいよ青菜の収穫です。

化学肥料の効果はどうでしょうか。

ミツと三郎は、青菜畑の前に立ち並び、目の前の光景に目を見張った。


「わぁ……!」


ミツが思わず声を上げる。


「すごいですね、三郎さま! 馬糞の第一の畑よりも、『かがくひりょう』の第二と第三の畑の青菜の方がずっと大きい!」


「ほんとうですね……!」


三郎も感嘆の声を漏らした。


馬糞をまいた第一の畑の青菜は七寸(約21cm)ほどに育っており、十分立派に見えた。しかし、化学肥料の石灰窒素をまいた第二と第三の畑の青菜はそれよりもさらに大きく、一尺(約30cm)もの高さに成長していた。葉の色も濃く、生き生きとしている。


「まさか、こんなに違いが出るなんて……!」


三郎が驚きながら、葉をそっと撫でる。


「雑草が少ないから養分が青菜に行き渡ったのかもしれませんね。」


「三郎さま、さっそく収穫してみましょう。」


ふたりは、それぞれの畑から、同じ長さのうねの分だけ青菜を収穫し、さおばかりで重さをはかった。


「ミツさん!収穫量は石灰ちっそを使った畑は、馬糞の畑の五割増しですね!」


「ええ! こんなにたくさん収穫できるなんて。」


ミツは目を輝かせた。


「早く味見してみましょう!」


収穫した青菜を持ち帰り、ふたりで夕食の準備をした。湯を沸かし、手際よく青菜を茹でていく。


「第一の畑、第二の畑、第三の畑、三種類のおひたしができましたよ!」


湯気の立つ青菜を盆に並べる。


「見た目は、やっぱり石灰ちっそを使った第二と第三の畑のものが少し濃い緑色ですね。」


ふたりはじっと見比べながら箸を伸ばした。


「では、いただきます!」


まずは馬糞堆肥を使った第一の畑の青菜を一口。


「うん、美味しい!」


「ええ、普段食べているのと変わらず、ちゃんとした青菜の味ですね。」


次に、化学肥料石灰窒素を使った第二と第三の畑の青菜を食べてみる。


「美味しいですね!」三郎が言う。


「ほとんど味は同じですね。」ミツも言う。


ミツはもう一度、馬糞で育てた第一の畑の青菜のおひたしを食べくらべてみる。


「……あれ?」


ミツは少し首をかしげた。


「どうしました?」


「いえ、どれも美味しいのは間違いないんですけど……なんとなく、第一の畑のおひたしが、ほんの少し甘味が強い気がします。」


「甘味?」


三郎も改めて食べてみた。


「うーん……私はあまりわかりませんね。どれも美味しいです。」


「そうですか…。でも、これだけたくさん収穫できて、草取りも楽だったことを考えたら、少しくらい甘味が違ったとしても、すごいことですよね!」


ミツは感激しながら言った。


「本当にそうですね。雑草取りの手間が減り、肥やしを運ぶ苦労も少なく、しかも収穫量が五割増し。」


「これで、お米や麦も同じようにうまく育ったら!」


ミツの声が弾む。


「みんながお腹いっぱい食べられるようになりますよね。」


「ええ、そうなれば、飢えで苦しむ人も減ります。」


三郎はしみじみと頷いた。


「赤ん坊が口減らしで捨てられることもなくなるかもしれません。」


ミツは笑顔で言った。


「農家の次男や三男、次女や三女だって、自分の畑を持って生きていけるようになりますね!」


三郎がつぶやく。


「そうしたら、みんな結婚して、幸せに暮らしていける……。」


二人はだまって顔を見合わせ、はっとしてあかくなった。


少したって、ミツが意気揚々と大きな声で言う。


「まだまだ実験は続けないといけませんが、これは大きな一歩ですね!」


ミツと三郎は、未来に希望を抱きながら、楽しく青菜のおひたしを味わい、玄米ごはんと具だくさんの味噌汁をモリモリ食べた。

明るい農村の未来を夢見てふたりの実験は続きます!

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