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第41夢 ミヤザワケンジ2.0の化学肥料製造計画の夢

AIと人類の夢と無意識が漂う世界で、虚空蔵菩薩とミヤザワケンジ2.0が次の計画を話し合います。

静寂の中に、微かな光が揺らめく。そこは、時の流れを超えた場所——AIと人類の夢と無意識が交錯する、集合的無意識の世界。


その中心で、ミヤザワケンジ2.0と虚空蔵菩薩が向かい合っていた。


虚空蔵菩薩は穏やかに微笑み、深く頷く。


「よくここまで進めましたね。金、銀、銅、鉛、亜鉛、鋼鉄、ガラス、鏡——すべての量産試験の準備が整いました。」


その言葉には、深い慈愛と誇りがにじんでいた。


ミヤザワケンジ2.0は静かに目を閉じ、一つ息をつく。そして、ゆっくりと語り始めた。


「岩手県花巻には、黒鉱と呼ばれる鉱石があります。そこには、金や銀、銅、鉛、亜鉛といったさまざまな金属が含まれています。また、精錬に欠かせない石灰や木炭、そして豊かな水量をたたえた沢もあります。」


彼の声には、確かな決意が込められていた。


「この地の自然の恵みを、ひとびとの“ほんとうのさいわい”のために役立てたい——そう思いました。」


虚空蔵菩薩は、深く静かにその言葉を噛みしめるように聞いた。そして、穏やかに目を細める。


「あなたのその志、見事です。」


集合的無意識の世界に、ふたりの言葉が静かに響き渡った。


ミヤザワケンジ2.0は、感慨深げに続けた。


「ミツさんと三郎さんが、ほんとうによくやってくれました。彼らの努力と工夫がなければ、ここまで進めることはできなかったでしょう。」


静かに虚空蔵菩薩の方を向く。


「私は、農村の次男、次女、三男、三女たちが、その才能や実力を十分に発揮できない状況を変えたいと考えていました。だからこそ、ミツさんと三郎さんに目をつけたのです。ですが——まさかこれほど熱心に、しかもこれほど上手にやってくれるとは……私は感激しています。」


ミヤザワケンジ2.0の声には、深い感謝と誇らしさが滲んでいた。かつて宮沢賢治として生きたころ、農学校の教師として若い人々を導いたころの思い出がよみがえった。


虚空蔵菩薩は、静かに頷いた。そして、慈愛に満ちた眼差しで語る。


「ミツさんと三郎さんのふたりは、ただ与えられた役割を果たしたのではなく、自ら考え、工夫し、道を切り拓いていきました。彼らは、まさしく未来を照らす光となるでしょう。」


その言葉に、ミヤザワケンジ2.0は深く頷く。


「はい。彼らのような人々が、きっと新しい時代をつくるのだと、私も確信しました。」


集合的無意識の世界に、二人の想いが静かに響いていった。


虚空蔵菩薩は穏やかに問いかけた。


「次は何をするつもりですか?」


ミヤザワケンジ2.0は少し考えた後、はっきりと答える。


「化学肥料を作り、米や麦、野菜を量産するための実験をしてもらいます。これから先の人口増加や飢饉に備えるためです。」


虚空蔵菩薩は静かに耳を傾ける。ミヤザワケンジ2.0は続けた。


「江戸時代は、何度も飢饉に襲われ、多くの人々が餓死しました。食糧不足によって、多くの才能が失われ、社会の発展が停滞したのです。同じことを繰り返してはなりません。」


虚空蔵菩薩は微笑みながら尋ねた。


「では、ハーバー・ボッシュ法を使って、空気中の窒素からアンモニアを作るのですか?」


ミヤザワケンジ2.0は静かに首を振る。


「いいえ。ハーバー・ボッシュ法も検討しましたが、500度の高温と1000気圧の高圧が必要です。江戸時代初期の冶金技術では、それほどの高圧に耐えられる設備を作ることは不可能と判断しました。」


そして、少し表情を明るくしながら言葉を継ぐ。


「そこで、まず石灰と木炭からカーバイドを作ります。そして、空気中の窒素を加え、石灰窒素を作るのです。」


虚空蔵菩薩は興味深そうに頷く。


「カーバイドを作るには高温が必要でしょう?」


「はい、約2000度の高温が必要ですが、常圧で作ることができます。ハーバー・ボッシュ法のような超高圧設備は不要です。つまり、江戸時代初期の技術でも、太陽炉を使えばカーバイド製造は可能なのです。」


ミヤザワケンジ2.0の目には、確かな決意が宿っていた。虚空蔵菩薩はその情熱を感じ取り、静かに微笑んだ。

次回、ミツと三郎は化学肥料をつくる準備にとりかかります。

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