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第28夢 新しい仲間、馬がやってきた夢

太陽炉のあまりの威力に鍛冶屋がつぶれたり戦がおきないか心配したふたりですが、お坊さまの言葉に安心したようです。

今回は新しい仲間、馬が加わります。

翌朝、三郎とミツは本堂で御本尊に手を合わせた後、話し合った。


「ミツさん、昨夜お坊さまがいらっしゃいましたか?」


三郎が尋ねると、ミツは嬉しそうに答えた。


「はい!やはりお坊さまは三郎さまにもお話しされたのですね。」


三郎はうなずき、昨夜の会話について語った。

太陽炉の技術についての心配や、お坊さまが慎重に世の中に広めると言ってくれたことを話す。

ただ、秘密の薬品の話はしなかった。


ミツは、お坊さまが戦乱の世を防ぐために、将軍さまや天子さまのご家来のお坊さまたちにお願いすると、約束してくれたことを伝えた。


「お坊さまは、本当に世の中と私たちのことを思ってくださっているのですね。」


ミツの声には安心と希望がにじんでいた。三郎も深くうなずき、穏やかな表情を浮かべた。


「お坊さまはすごい人だと思っていましたが、将軍さまや天子さまのご家来の方々にお知り合いがいらっしゃるとは、すごいですね。」


ミツは力強くうなずき、空を見上げた。朝日が庭を明るく照らし、二人の希望に満ちた新たな一日が始まろうとしていた。


朝日が昇り、寺の台所からは味噌汁の香りが漂っていた。三郎とミツは朝ごはんを食べながら話していた。


「今日は、馬を探しに行こうと思います。」


三郎は味噌汁を飲みながら言った。


「馬市場が開かれるのは冬か春先ですよね。今はやっていないですね。どうするんですか?」


ミツが心配そうに聞くと、三郎は笑顔で答えた。


「肝煎(村長)さまの家に行って、馬を手放す農家を紹介してもらおうと思います。この村では見つからないかもしれませんが、となり村あたりに、いい馬が見つかるかもしれません。」


「気をつけて行ってきてくださいね。」


ミツは三郎を見送りながら、良い馬が見つかりますようにと、祈った。


三郎が出かけると、ミツは寺の牛小屋と馬小屋の掃除に取り掛かった。長く使っていない小屋の掃除はたいへんではあったが、新しい牛や馬がやってくると思うと気持ちがはりきる。


「きれいにしてあげないと、馬さんも牛さんも喜ばないものね。」


ほうきを動かしながらミツは楽しそうに独り言を言う。


一方、三郎は肝煎(村長)の家を訪ねて、馬を手放す農家がいないか尋ねていた。肝煎は快く協力してくれ、すぐにとなり村の農家を紹介してくれた。


「この時期は田起こしも終わったから、たまに手放す家もあるんだ。子馬がおとなになったので、母馬を売りたいそうだ。いい馬だと聞いたよ。」


肝煎の言葉に三郎は胸を弾ませ、砂金を持って、となり村の農家を訪ねた。


昼前、三郎が寺に戻ってきた。手綱を引いているのは、力強そうでおとなしいメス馬だった。その背には、干し草や餌袋も積まれていた。


「三郎さま、お帰りなさい!あら、この子が…?」


ミツは馬を見るなり、声を弾ませた。


「となり村でちょうど馬を手放す農家があってね。肝煎さまの紹介で買ってきたんだ。少し砂金は多めに払ったけれど、これだけ立派な馬なら安いもんだよ。」


三郎は馬の首をなでながら話した。


ミツは馬に近づき、優しく顔をなでた。


「まぁ、なんてかわいい子でしょう!おとなしいし、賢そうですね。」


馬もミツに甘えるように鼻を鳴らし、うれしそうにしている。


きれいになった馬小屋に馬を入れると、馬は満足そうに鼻をならして干し草を食べ始めた。


「三郎さま、この子もきっと喜んでいますね。新しいおうちが気に入ったみたいです。」


ミツが笑顔で言うと、三郎もほっとした表情を浮かべた。


「餌も買ってきたから、しばらくは困らないですよ。これからは草も刈ってあげないといけませんね。」


「草刈りなら、わたしにまかせてください!」


ミツは寺の鎌を持ってさっそく草刈りに出かけ、新鮮な草を馬に与えた。馬は勢いよく草を食べ始め、その様子を見てミツは満足そうに頷いた。


馬小屋の様子を見ながら、三郎は口を開いた。


「次は牛も近いうちに買えそうです。肝煎さまがまた手を貸してくれると言ってくれましたよ。」


ミツは目を輝かせながら言った。


「それはすばらしいですね!牛も来たら、もっとお寺の田畑のお仕事がはかどります。わたしももっと頑張ります!」


三郎はその言葉に微笑み、うなずいた。


「ああ、そうだ。ミツさん、糞と尿は集めておいてください。私が明日、肥やし小屋を建てますのでそちらに運んでください。」


「あっ。お坊さまの言っていた、特別な肥やしを作るんですね。わかりました。まかせてください。肥やし小屋ですか、さすが特別な肥やしですね。」


「えっええ…そうです。」


三郎は少し後ろめたい気持ちで返事をしたが、馬の世話ができてうれしいミツは、気がつかないようだった。


馬の静かな鳴き声が寺に響き、寺の生活は少しずつ豊かになり、未来への希望がさらに膨らんでいくのをミツは感じていた。


かわいい馬にミツは夢中で、三郎の様子に気がつかないようです。

秘密の薬品はうまくできるのでしょうか。ふたりの関係は大丈夫でしょうか。

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