第58話:「人間」
突然ですが作者からの質問です。
現在1話あたり1500〜2000文字くらいで書いているのですが、これって少ないですかね?
少ないようなら増やすようにしますので、コメントで教えてください(コメント乞食)
「まずオマエ、自分の状態をどこまで理解した?」
「へ?」
説明すると言った矢先に質問を投げかけて来やがったので、つい間の抜けた声を出してしまった。
しかも、質問の内容もあまりピンと来ない。状態って一体どういう意味だ…?
「この世界に来てからのオマエの変化だ。元の世界に居た頃と比べて、何か変わったことは無いか?」
…変わったと言えば、そうだな。
「このスキルの存在だろうな。尤も、これが何かは微塵も分かっていない訳なんだが…」
手のひらに黒い炎を現出させる。
今では当然のように存在を許容しているこいつだが、その実態は今だ不明。
ただ漫然と『こういうことができる』と言うことしか分かっていない。それはとても良くないことだ。
シンプルに言えば、
「これ、何でできてるんだ?」
そう聞くと、神は「それはな─」と意気揚々と喋り出そうとして言葉に詰まった。
「うぅむ、なんと表現すれば適正だろうか。オマエ達の使う言葉は神からすれば規模が小さ過ぎる。」
そりゃそうだろ。世界を創った神だと言うのなら、俺たちと見ているものが同じなはずがない。
「そうだな、オマエの発生させるソレは『未確定』という概念そのものだ。」
…
えーっと…は?
目の前のカミサマはこれでどうだ!って感じで言ってきたが、申し訳ないけど全然理解が及ばない。
「わかりやすい例えをするなら、シュレディンガーの猫が近い、のか?」
なんで疑問形なんだよ、神なら全能じゃねぇのかよ。
「全能であるが故に、全能でない者の認知は理解できんのだ。」
「ああそうですか。なんでちょっと誇らしげなんですかね。」
…まぁいい、シュレディンガーの猫な。確か箱の中の猫が50%の確率で死ぬとかの話だったか。
箱の中の猫は箱を開けるまで50%生きてて50%死んでる、みたいな。
「そう、正にその箱の中の状態がソレだ。」
「は?」
「鈍いなぁオマエは。要するにオマエの生み出すモノはその箱なのだ。ただし、猫の代わりに『森羅万象遍く全ての内のどれか』が入っている、な。」
『全ての内1つ』がランダムに入った未開封の箱…
「オマエが肉体を修復できるのもソレのおかげよな。」
何となく、わかった、よう、な…?
つまりこれは、
「開けるまで何が入ってるか分からない玉手箱…!!」
「そんなワケ無いだろう。使い物にならんわそんなシステム。」
うーん、正論でワロタ。
「そうはならない所がその力の妙でな、実はその『未確定』という要素にマイナスの方向性が掛かっている。」
は?つまり?
「あらゆるものと相殺、対消滅するようになっている。」
俺の物わかりの悪さに半ギレした神が放り捨てるように言う。
なるほど…いや、
「待てよ、対消滅するんならいずれ全部無くなるんじゃないか?」
「無論そんなことにはならん。無くなった瞬間にはもう元に戻っている。継続回復と言えばわかりやすいか?何せ『未確定』だからな。」
そうか、だがそれならそれでまた説明できないことが生まれた。
「なら、なんで俺は今こんなことになってるんだ?」
今は無くなってしまった右腕を差し出しながら言う。
「純粋な魔力の塊とぶつかってしまったから、だ。魔力はオマエの力と相克するエネルギー。HPの最大値を減らされてしまっては、回復することなんて出来ないだろう?まあ、心配せずともすぐ直る。」
そうか、まあその辺はぶっちゃければどうでもいいことだった。
それより心配なのは、
「どうして、そんな破壊の権化みたいな力で俺は身体を治してる。」
そう訊くと、神はバツが悪そうに目を逸らした。
「まだ、それを教えるには早すぎる。詳しいことは言えんが、オレが世界に与える影響が大きすぎるとマズイのだ。」
「最初に会った時なんの説明も無かったのもそれのせいか?」
「ああ、そうだ。これでも申し訳ないと思っている。」
神が珍しく殊勝なことを言った。
クっ…ダメだ、まだ笑うな…!
あの時何も言わなかった神がここに来てベラベラ喋り出したのは、何か理由あってのことだと思っていたが…そうか、喋れなかったのか。
しかも、この世界の為に…?ははは、そうかよ。
「なら、最後の質問だ。」
「なんだ、まだあるのか?オレもヒマじゃないんだがな。」
そろそろ話を切り上げたがっている神を無視して、言葉を放つ。
俺だって何も考えてなかった訳じゃなかったが、憶測の域を出なかった。いや出したくなかった。
だって、コレを認めれば、■■じゃなくなってしまうから。
でも、さっきの話を聞いて、ほぼ確信してしまった。
知らない方がいいことかもしれないが…事実が変わらないなら、あの時の恨みをこのカミサマにぶつけるのも悪くは無いだろう。
「なぁ、俺は、俺の体はさ、」
「とっくにヒトの身なんかじゃないんだろ?」
神は少し呆けたように黙って、
「ククク、クヒヒヒヒ…クハーッハッハッハ!やってくれたな!無駄に仕事を増やしおって!」
半ば自棄になったように笑った。
最高に、愉快。




