第55話:「マジかよ」
本ッッッッッ当に申し訳ございませんでしたァ!(平身低頭)
この1ヶ月色々ありまして投稿がバカみたいに遅れてしまいました。
インフルエンザ…仮免試験…炭酸の襲来…らぶらぶはぁと大石像…あれ、切腹した方がいいのでは…?
居ないとは思いますが、もし待っていてくれた方が居たならいらっしゃったら遠慮なく言ってください。土下座して詫びます。
突風が生じる程の斬撃。
魔法、魔力を封じたこの打ち合い。つまり純粋な剣の力量のみで彼女は軽々とそれを放つ。馬鹿じゃねえの。
そんなものをまともに防御していればこちらはいつまでも攻撃に移れない。
「っ…!」
えげつない破壊力の一撃をずり押されながら受け止め、なんとか距離を取る。
対処法はまあ、躱して殴るしかないか。
そうだな…アレやってみるか。
剣を構えたまま、彼女の間合いの直前まで踏み込む。
この技は間合いが大事だ。相手の間合いのギリギリ外、紙一重を意識して距離を詰める。
攻撃の体制を取った状態で踏み込めば、当然相手は対応して攻撃を置かざるを得ない。
彼女の対応は横薙ぎ一閃。こちらの上半身を狙う一撃。
つまり、下方向はガラ空きになった。
勢いそのままに大きく姿勢を前傾に下げそのまま1歩。完全に彼女の攻撃は空を斬った。
「ぬぉらァ!!」
背中を掠める圧を感じ取りながら木剣を逆手に持ち替えもう一歩。完全に懐に入り込み右拳で柄ごとアッパーを腹にブチかます。
完璧だ。打ち上げたあとは煮るなり焼くなりコンボするなり好き放題──
「…ぅぐぉっ!?」
しかしその瞬間、脇腹に鋭い痛みが走る。
蹴り飛ばされた。剣ばっかりに意識を割きすぎてしまった。
キレイにクリーンヒットをブチ込まれ、吹っ飛ばされて情けなく砂場に転がる。
「午前はこれで終わりにするか。飯食いに行こうぜ。」
空を見れば太陽はほぼ真上、正午手前ぐらいだろうか。
もう3時間近く経っていたとは、楽しい時間は早く過ぎてしまう。やめて欲しいものだ。
「チッ、結局今日も一撃も入れられなかったか。」
少しは対応できるようになって来たが、それでも彼女は巧く、疾い。届かない、全く勝てる気がしない。
「阿呆か、修行中に師匠に勝つ弟子なんざ居ねぇよ。寧ろお前は成長が早すぎる。半月程でここまで動ける奴なんか初めてだぜ。」
「..そうなのか?」
「そうそう。いつかはオレを超えちゃうかもなァ!」
まァ、オレは変身をあと2回残してるけどな。ガハハ!
だとさ。どこの帝王だよ。
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ちなみに昼食だが、ローズはしれっと家まで着いてきてタカりやがる。午後の修行もあるとはいえ、いい大人なのだから自分の飯くらい用意しろやと思わんでもない。
「それじゃあ今日は、耐久性について調べてみよっか。とりあえず通常の打撃から。」
それはさておき肝心の午後の修行。
だいたいの場合、俺のスキルの検証、及び戦闘においての運用法の確立。
…修行、修行かなぁ?まぁどうでもいいか。
「はいよー。」
右手に黒塗りして突き出す。
スキルの検証ということで、ワイスも手伝って…というか、検証を主導してくれている。
なんだか手馴れているのは、前にユニークスキルの検証に立ち合ったことがあるからとの事だ。
なんでも、ユニークスキル持ちは最初、みんな俺と同じように正体不明のスキルの中身を詳らかにするところから始まるらしい。
"未開の地を土足で踏み荒らしてるみたいでゾクゾクする"とは本人の談。いやちょっとわかるけどもね?
ヴゥォン!
風が唸る。普通に人が死ぬレベルの勢いで振り下ろされた木剣は、しかし俺の右手になんの影響も及ぼさない。
寧ろ木剣の中程から10センチ程が消滅して、切っ先だけがポトリと地面に落ちた。
…手加減とかなさらないの?怖いんじゃけど…
「うーん、やっぱりビクともしない。どうにかして破壊できないかなぁ?」
趣旨変わってますことよお嬢様?
俺のスキルは暫定的に『自身は強化、回復。それ以外は破壊する物体を生み出すスキル』と定義された。
彼女は今、スキルで生み出される「黒い何か」を解明することに没頭しているというわけだ。
現状確定していることは
・物理的な干渉を全く受けない
・触れた物質は消滅する
・俺から5m程離れると消える
・形態は液体の様だが、現象の様にもできる(炎)
・自由に操作できるが、体から離れれば物理法則に従う(落下する、放物線を描く等)
「黒い何か」自体の特性は今のとここんな感じらしい。個人的にはファンネルみたいに浮かせて戦いたかった。残念だ。
「魔法ぶっぱなしてみるか?」
ローズはもうちょい弟子のこと大事にした方がいいと思う。
「そうだね、やってみよう!」
まさかのノータイムだ!?
「…マジかよ。」
斯くして、狂気の耐久性テストは始まった。




