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第28話:「うますぎる」

前回のあらすじ、カエイに向かう途中で変なやつに襲われたが、特に何もされなかった。

昼過ぎにカエイに到着した俺たちは、腹ごしらえと敵情視察を兼ねて『()み出し者』で食事を摂ることにした。


「しかし、本当に人が多いな。ウチ(エギン)のギルドの3倍ぐらいは人が居るんじゃないのか?」


街の中も人通りが多く、流石は観光名所と言った感じだ。ここに入るのにも、30分くらい待ち時間があった。


「ここの料理はすっごく美味しいからね〜。あっ、きたきた。」


目の前に現れたのは、骨付き肉。いや、ただの骨付き肉ではない。バカみたいに太い骨を、バカみたいにぶ厚い肉が覆っている。余りにもデカすぎて何の肉かまるで分からないこれは…


「マンガ肉ッッッ…!!!」


「え、なんて?」


感極まりすぎて口に出してしまった。いやー、生きているうちにこれを食えるとは、あの神にも少し感謝してやるか。


「なんでもない。いただきます。」


「では、私もいただきまーす。」


骨を掴み、齧り付く。持ち上げる時の重量感が肉の密度を手を媒介して伝えてくる。しかもその味は、


「うまい、うますぎる。」


風が語りかけてきそうだ。信じられない程ぶ厚いその肉は、しかししっかりと火が通っていて、かつ、全く固くなっていない。噛めばどんどん肉汁が溢れ出す。その味は、今まで食べたどんな肉よりも美味かった。


「ふふ、それは良かった。イミテちゃんはどう?」


たしかに、イミテがさっきから静かだ。隣に居るイミテの様子を見ると、


「お、美味しい、です…!!」


泣いていた。口いっぱいに肉を頬張ったまま、幸せそうな顔で嬉し涙を流していた。


「うんうん。おすすめしたかいがあったよ。」


会話が終わると、ものすごい勢いで食べ始めるイミテ。そうか、食べきらなきゃいけないのか。ちょっと自信ないなこの量は。

───────────────────────────

とか思っていたが、あっさりと食べ終わった。美味すぎて箸が止まる様子がなかった。


「さて、飯を食ったのはいいが、どうやって調査しようか。」


実の所ノープランだった。


「あぁ、それについては大丈夫。だってほら、件の張本人さんが帰ってきたみたいだし。」


そう言ってワイスが入口の方を見る。視線を向けると、茶髪でマッチョなおっさんが立っていた。あれがヴァランなのか?


「よォ皆!お昼ご飯、楽しんでいるかな?俺の店の自慢の料理だ。ガンガン食べてってくれよ!グハハハハ!」


豪快に笑うと、店の奥にある階段を登って行った。この建物は、1階は飲食店、2階はギルド本来の目的の珍味売り場になっている。誰でも出品できるようになっていて、元々はそういうギルドだったということが伺えるが、今では余り人気のエリアでは無いようで、2階は端の方にある団長室しか機能していないようだ。


「よし。直接話を聞きに行こっか。」


ちょっと想定外過ぎることを言うワイス。


「おいおい、素直に話してくれると思うのかよ。」


「わかんないけど、聞いてみる価値はあると思うよ。」


行動しないと話は始まらない。到底正直に話すとは思えないが、得られるものもあるかもしれないしな。


「仕方ないな。イミテはそれで構わないか?」


「はい。問題ありません。怪しい言動をしたら殺すまでです。」


ちょっとその考えは問題あるな。殺したら、得られる情報も得られない上犯罪者だ。


「イミテ、気持ちは分かるが落ち着いてくれ。今はとにかく、情報を集めないといけない。」


「でもアイツは、」

「殺したら、罪を償わせられない。生きている方が苦しいと、殺してくれと思わせてやろう。」


「……わかりました。でも、絶対に捕まえましょう!」


「ああ、当たり前だ。」


俺だって、許せない気持ちは同じなんだから。

ルークの異世界定義メモ

ユニークスキルは、その希少性故に、どのようなものかまだ正確に判明しているものでは無い、らしい。その特異性は、まさしく俺が知るゲームのスキル(特殊能力)を彷彿とさせるものだった。

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