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第25話:「巣」

前回のあらすじ、新しいパーティメンバー、犬耳ロリのイミテが加入して、いよいよ異世界攻略開始!

目の前に見えるのは、異世界(こっち)に来てから最初に戦ったオオカミ。しかし、前に見たやつよりも明らかに気が立っている上、なんか禍々しいオーラを放っている。現在俺たちは、茂みに隠れて様子を見ている。


「おかしいな…あんなに強い魔物はこんなところ(街付近の森)には居ないはずなんだけど。」


険しい顔でワイスが呟く。どうやらアイツが居るのは、彼女にとっても想定外なことだったようだ。


「なぁ、それってあのオオカミはヤバい奴ってことか?」


もしそうだとするなら、俺は序盤からボス級と何回もエンカウントしていたことになる。それは流石におかしい。


「違うかな。あのオオカミ自体は危険ではあるけど、この森にも結構いる動物。問題なのは、あの魔物化の強さかな。」


「魔物化の強さ?」


「うん。動物が何らかの要因で魔物化してしまったものが魔物なのは前に言った通りなんだけど。魔物化には強さがあって、より強く魔物化している魔物は、魔物化が弱い魔物よりもかなり手強いんだよね。」


なるほどね。アイツはこの辺りに出る魔物としてはおかしいくらいに魔物化が強い、と。


「あれぐらい魔物化が強いと、低い威力の魔法がほぼ効かなくなっちゃって面倒なんだよね。」


魔法が効かない、か。物理で倒すしか無いみたいだな。いや、待てよ、


「普通に大火力の魔法をぶっぱなせば良いのでは?」


と言うと、ワイスは完璧なジト目になって、


「そんなことしたら、周りの魔物が集まってきちゃうでしょ。今回はそれじゃ意味ないの。」


至極真っ当なことを言われてしまった。ありがとうございます。


「ご歓談しているところ失礼しますが、そろそろ魔物が動きそうです!」


イミテに言われて気づく。オオカミは周囲に警戒すべきものはないと判断したのか、他の場所へ移動しようとしていた。


「ありがとう。でも大丈夫だよイミテちゃん。計画通(けいかくどお)りってね。」


そう言ってワイスは笑った。

───────────────────────────

「イミテちゃん、合図したらあいつの後ろ足を縛ってこっちに引っ張ってきてもらえる?」


「わかりました。できる限りやってみます。」


そう言うと、イミテはオオカミの後ろに付くように移動しだす。


「暴れられると困るから、一撃で仕留めてね。」


ワイスはそう言うが、俺にはそんな攻撃力は無い。


「いや、俺じゃそんなん無理だと思うんですけど。」


「そりゃ、そのままじゃ無理だよ。だから強化してあげる。《火炎付与(デフラグレーション)》《身体強化(ライズ・フィジカル)》。」


ワイスが唱えると、俺の剣が燃えだし、体が軽く…はなってないが、まぁ効いてんのかな?


「魔法は効かないんじゃなかったのか?」


「その魔物自体が対象じゃなければ関係ないんだよね。さぁ、頑張って行ってこーい!」


茂みから突き出される。オイオイオイ、死んだわ俺。


「イミテちゃん。やっちゃって!」


ワイスが合図を出すと、イミテは背を向けていたオオカミの後ろ足に鎖を巻き付け、


「ふんぬぅぅぅうう!」


そのままこっちに向かって引っ張ってくる。バケモンかな?あいつ体長1.5メートルくらいあるんじゃが。


「なにボサっとしてるの、イミテちゃんが頑張ってる間にやっちゃって!」


「お、おう!」


かなり出遅れたが、走り出す。一撃でやるなら、やはり首を落とすか。って


「こいつめっちゃ暴れてて当てられないぞ!何とかできないか!?」


「あぁもう、しょうがないなぁ!《凍結(フリーズ)》!」


オオカミの前足が凍り、地面に貼り付けられる一瞬、完全に動きが停止した。


「ここだぁぁああああ!」


剣を思い切り首目掛けて振り下ろす。あっさりと刃が通り、首が落ちた。血液が蒸発する厭な臭いがした。

───────────────────────────

「いや、こんなん、ランクEにやらせることじゃ、ないだろ。」


息も絶え絶えにワイスに愚痴る。俺たちは、ワイス指名で依頼された森の調査に同行していた。近頃、森の魔物の動きが活発になり、個体ごとの強さも上がっているということで、ランクCながらも能力の高いワイスに白羽の矢が立ったのだ。


「そんなこと言ったって、私1人じゃ不安だったんだもん!」


頬を膨らませて怒るワイス。やめろワイス、その術は俺に効く。


「でも、これで調査が終われそうですね。」


イミテがそう呟く。ちょっとよくわかんないな。頭に酸素が回ってない。


「んぁ?なんでだ?」


「こいつの来た道を辿れば、(発生源)まで行けるかもしれないってことです。」


あっそっかぁ、行きてぇなぁ。

───────────────────────────

それから足跡を追い、ワイスの《探知(サーチ)》も駆使しながら、強力な魔物の発生源を探した俺たちは、


「多分ここかな。こんな地形、前はなかったし。」


異様に存在感を放つ大穴を発見した。

ゴブリンやドラゴンなどの、元となる生物が存在しない魔物は、種族毎に魔物としての強さが決まっているらしい。ドラゴンには、魔法はほぼ効かないんだとか。ヤバくね?

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