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第24話:「子守唄」

前回のあらすじ、俺がやっとのことで1匹倒したゴブリンを、イミテは2匹瞬殺した。本格的に要らない子になってきたな…

「なぁ、イミテ。一応聞くけど、冒険者やるのは初めてだよな?なんか随分と手馴れていた気がするんだけど…」


盤上に黒い石を置きながら聞く。今日の戦いは、初戦闘という割には、あまりにも手際が良すぎた。


「もちろん。冒険者登録も今日したばかりです。あと、そこに置いたら詰んじゃいますよ?」


盤上の石が裏返り、全て白になる。まぁ、オセロなんだけど、暇つぶしにイミテとやってみたらボロ負けしていた。今回は盤が埋まるまでもなく負けた。


「ぐえー死んだンゴ。でも、それにしてはなんか上手くなかった?武器の使い方とか身のこなしとか。」


「戦闘すること自体は初めてじゃないんです。スラムは治安が悪いですから。もう1戦やりますか?」


なるほど、戦闘しないといけないようなところなのか。色々大変そうだな。


「いや、いい。5戦5敗しててまだ続けようとは思わん。」


「そうですか、じゃあ片付けてきますね。」


ワイスの部屋にオセロを戻しに行くイミテ。そのワイスは、基本的にはずっと魔法の研究をしているので、空き時間は寝るか筋トレするぐらいしかやることがなかった。だからイミテには、暇な時話し相手になってもらえたりしてとてもありがたいのだが…


「今日はもう遅いですし、寝ましょうか。」


「いや、それはまぁ、構わないんだが…なぁ、やっぱり別の場所で寝ないか?」


何故か異常に好感度が高い。昨日までは、ちっちゃい子だから甘えてるんだな、とか思っていたが、実は16歳、と聞いてからは、なんだか頭がおかしくなりそうだ。


「なんでそんなこと言うんですか?」


そう言って、上目遣いで見つめてくる。体格や仕草は小学生にしか見えないが、実際は思春期の女の子だ。俺が関わるべきではないだろう。


「いや、なんでも何も、16歳なんだろ?そっちこそ嫌じゃないのか?」


「16歳だと、なんで嫌になるんですか?いいから昨日みたいにしてください。」


そう言って抱きついてくる。昨日みたいに、って撫でろってことか?あれはちっちゃい妹だと思ってたことだからできたことなんだけど…まぁ、やれと言うならやりますが。


「それでいいんですよぉ。ルークさんはわたしのこと、子ども扱いしてください。」


「うーん、どうも腑に落ちないが…」


まぁ、当の本人はしっぽをブンブン振ってご満悦な様子だし、俺もモフモフし放題。まぁそれでいいか、と思考を放棄する。


「さっきの話の補足ですけど、ルークさんに助けて貰ってからは、体が軽いんです。力も強くなった気がしますし、それでゴブリンを簡単に倒せたんだと思います。」


機嫌が良くなったのか、強さの理由を教えてくれた。あんまり回答にはなっていないが、気になるところはある。


「俺が助けてから?」


「はい。前よりも確実に身体の動きが良くなってます。これなら、大人3人でも余裕で相手取れそうですね。代わりに、魔力を体に感じなくなりましたが、元々魔法を使えるほどではなかったので、問題なしです!」


なるほど、体内に魔力を感じなくなった、か…

魔力は、生きているもの全てにあるとされているはずだ。つまり、やっぱりイミテは死んだまま…


「なにぼーっとしてるんですか?早く寝ましょう?」


「あ、あぁ、悪い。なんでもない。」


考えすぎだろう、彼女は現にこうやって生きている。可愛い妹分になんてことを考えているんだ俺は。ベッドに入り、眠る準備をする。


「子守唄でも歌ってやろうか?なんてな。」


「いえ、良いですね、子守唄。ぜひお願いします!背中ぽんぽん付きで!」


「えぇ…マジ?仕方ないなぁ。」


冷たい肌をしたこの少女が、それでも生きていると信じながら。

ちなみに、他にはチェス、トランプなんかのテーブルゲームもあったが、軒並み大敗を喫した。

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