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第23話:「命を刈り取る」

前回のあらすじ、風呂でモノローグに浸ったあと、イミテと添い寝した。

『名前:イミテ ランク:S ポイント:0

発行元:エギン冒険者ギルド』


思う存分服を選んだ俺たちは、イミテの冒険者登録を済ませ、武器屋でイミテの武器を選んでいた。イミテが冒険者になることは昨日の内に決まっていたらしく、俺が反対しても無意味だった。何より、


『ルークさんのことを、少しでも手伝いたいんです!』


と真っ直ぐな瞳で見つめながら言われてしまえば、俺に為す術など無かった。


「これなんかどうでしょう?」


イミテが俺のところに武器を持ってくる。俺が査定するのは役不足ではなかろうか。とか思わなくもないが、まずそれ以前に、


「デカ過ぎんだろ…」


イミテが持ってきたそれは、剣と言うにはあまりにも大きすぎた。大きく、ぶ厚く、重く、そして、著作権的に危なかった。彼女の細腕ではまず扱えないだろう。むしろどうやって持ってきた。


「やめとけ、色々と危ないから。」


「はい…」


シュンとしながら元の場所へ例のアレを戻しに行く後ろ姿を見ると、強烈な罪悪感が俺を襲うが、これも彼女のためだ。使う武器は好みで決める方がいいとは思うが、流石に限度がある。そして、それとは別に1つ疑問に思っていることがあるのだが…


「ワイス、なんで俺の時は武器の話してくれなかったの?」


奢ってくれとは言わないが、武器を買った方がいい、くらいの説明はして欲しかったものだ。


「え?私としては、ルークが武器を買ったことの方が意外だったんだけどな。だってルークにはほら、アレがあるじゃん?ズボぁーってやつ!」


よく分からん擬音とともに、ワイスが拳を突き出す。初めて会った時の真似か?自分が魔法メインだからか、武器のありがたみがわかってないようだな。


「前にも話した通り、俺のスキルは俺にもよくわかってないんだよ。第一な、それを抜きにしても、武器が有るのと無いのとじゃあ、リーチも戦略の幅も違ってくる。お前だって、短剣用意してるじゃんか。」


オタク特有の早口で一気に喋りきる。少し悪い気もするが、ゴブリン相手に死ぬ可能性があったんだ。これくらい言ってもバチは当たらないだろ。


「わ、わかった。わかったから少し落ち着いて。」


ジェスチャーありで落ち着くよう促すワイス。まぁ、言いたいことは言ったし、この辺にしといてやるか。といったところで、イミテが帰ってきた。


「これなら、丁度いいと思います!」


そう言って誇らしげに俺に見せてきたのは、


「命を刈り取る形をしてるでしょう?」


鎖鎌。ほほぅ、イミテもロマンがよく分かっている。説明の必要は無いとは思うが、鎖鎌とは手持ちサイズの鎌の柄に鎖が取り付けられているもので、鎖の先には分銅が付いている。これならイミテでも振るう分には問題ないだろう。

───────────────────────────

ランクE認定の為の薬草採取を終え、帰り道を進む俺とイミテ。ワイスはなんか用事があるとかで俺にイミテを任せ先に帰った。

そう言えば、俺のゴブリン初遭遇はここだったな。まぁ、つまり、ここはゴブリンが出る場所なわけで、


「イミテ、ここは下がっててくれ、雪辱を晴らしたい。」


「ルークさん、頑張って!」


のこのこと出てきてくれたゴブリンを試し斬りするにはもってこいだった。

───────────────────────────

数は前と同じく1匹。しかし前と違うのは、こちらにも武器があるということ。安物の剣でも、この前のイノシシにも通ってるし切れ味は問題ないだろう。こちらから仕掛ける。


「死ねよやぁ!」


初手から殺意マシマシで、勢いよく切りかかる。一撃で真っ二つになってくれると嬉しかったが、肩口に刃が刺さって止まった。そこまで切れ味は良くないか、あるいは斬り方が悪いのか。まぁ、死んでいないなら、怯んでいる間に殺しきるしかなかろう。


「ギコギコはしません、刃を入れたらスゥゥゥーーーっと。」


台詞とは真逆に、思いっきりギコギコしながら刃を下ろして行く。肉を裂く気持ち悪い感覚が手に伝わるが、戦わなければ生き残れない。心を鉄にして剣を振りきる。ゴブリンは死んだ。


「うん、次からは突こう。イミテ、帰ろうか。」


剣を使う上での学びを得たところで、再び帰路に着こうとすると、


「まだ来るのかよ…」


ゴブリンが2匹、追加で現れた。最近、魔物の活動が活発になっている、と受付で言われたが、こんなところでまで適用されるとは。


「イミテ、1匹任せていいか?」


さっきの戦闘を鑑みるに、1人で戦えば片方に隙を晒すことになるだろう。イミテの練習も兼ねて、手伝ってもらうことにしよう。


「大丈夫です。2匹とも私が倒します。」


「えっ、」


振り向いた時には、イミテはもう後ろにはいなかった。再び前を見ると、既に片方のゴブリンの首は胴体とさよならバイバイしていた。イミテが近くにいるから、多分走っていってそのまま切断したのかな?


「わぁ。」


あまりの急展開にアホみたいな声を上げていると。


「やっぱり、丁度いい、ですね。」


イミテは鎖を見事に使いこなし、ゴブリンの首をグルグル巻きにして拘束した後、引き倒して頭部を鎌で突き刺した。


「ふぅ。よし、帰りましょうか。」


額を腕で拭いながら、こちらを見て笑いながらそう言うイミテ。返り血を浴びていて軽くホラーだった。

ちなみに、『冒険者登録は15歳からなんだが、イミテは大丈夫なのか?』と聞いたら、『16歳です!』と返された。嘘だろ!?てっきり12歳くらいかと…

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