第14話:「講義」
前回のあらすじ、ワイスに魔動機が使えないと言ったら。自分の家に居候しろと言い出した。
「部屋はさっき寝かしてたところ使えばいいから…あっ、料理と洗濯は私がやるけど、掃除とごみ捨てはルークがやってね。」
絶句しているうちにどんどん話が進められていく。こいつ行動力の化身か?
「ちょっと待て、なんで俺が泊まる前提で話を進めてるんだ?」
「うーん。逆に聞くけど、これ以上手っ取り早い解決策ある?」
合理化の化身だった。
結局、特に具体的な解決策を持たなかった俺は、大人しく原因がわかるまでワイスの家に泊まることになったのだった。
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「•••て、••きて、ル•••。朝•••!」
朝っぱらからなんだ?うるさいなぁ…
「お•••て!ルーク!」
誰だよルークって…いいから寝かせといてくれ…
「もー、しょうがないなぁ。」
しょうがないのはこっちだよ、やっと諦めたか。と思った時
俺のベッドの上に、誰かが上がってくる。眠りが浅くなってきた俺が、何事かと確認しようとしたその時、そいつは耳元で優しい声で呟いた。
「早く起きないとぉ、指の骨1本ずつ折っちゃうぞ。」
「ヒイイイイイ!許してください!」
ベッドから抜け出した俺は、光の速さで土下座した。
「やっと起きた。おはよールーク。気分はどう?」
してやったり、みたいな顔でワイスは言う。
「おはようワイス。次はもうちょっとマシな台詞で頼む。」
ラブコメ展開的に、チューしちゃうぞ、とかでお願いします。あ、ダメ?そうですか…
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「では、これより講義をはじめます。」
朝飯を食って一息ついたとき。どこから持ってきたのだろうか、ホワイトボードを引いて指し棒を持って、ついでにメガネをかけたワイスがなんか言い出した。部屋着のままなのがなんとも中途半端だ。
「はい先生。」
「なんでしょうルーク君。」
「そもそもなんの講義なのでしょうか。」
「いい質問ですね!」
言いたいだけだろ。
「この講義は、魔力とは何か、魔法とは何かをこうざっくりと説明して、ついでにルークが魔動機を使えない理由も考えちゃおう的なアレです。」
随分と雑だが、まぁ必要なことか。黙って頷き続きを促す。
「魔力とは、我々人間種の体内に満ちるエネルギーのことを指します。本当は全ての生命体が魔力を有している、と言われていますが、人間以外に魔法を使う生き物が確認されていないため、実質は人間種だけです。」
ホワイトボードに人間を描き、その中に黒い丸を描いて矢印で魔力と示す。
「魔法とは、魔力を決まった手順で体内を巡らせた後体外に放出することで、物理現象で再現できるくらいの超常的な現象を起こす法則です。やり方さえ理解してしまえば、誰でも使えるのが特徴です。」
その人間に杖を持たせて、体内の魔力を引っ張り杖まで繋げる。すると、杖から炎が吹き出す。
「先生。質問なのですが。」
「はい、なんでしょうルーク君?」
笑顔で答えるワイス。さてはこいつ、楽しくなってるな?
「先生の使う《探知》の魔法は、とても物理現象では再現できなさそうな感じでしたが。」
少し悩んだ後、ワイスは答える。
「そうですね、無属性魔法は少々特殊で、その限りではありません。《探知》は、言わば五感の拡張のようなものですね。」
「わかりました。ありがとうございます。」
「では、講義を再開します。」
「魔動機とは、魔力を使用して動くもの全てを指します。魔動二輪車からコンロまで、全てを魔動機と言います。」
さっき描いた人間の横に、火のついたコンロを描き=で繋げる。
「魔動機の中には、魔力が通る回路があり、その形で体内での魔力の動きを再現させ、魔法を発動させます。そのため、使う本人が使いたい魔法を覚える必要が無いことが特徴です。」
「また、魔動機は無駄なく魔力を均一に使用するため、自分で使うよりも効率よく魔法を発動させます。これにより、魔力の少ない人でも常用することができるのです。」
「以上で講義を終了します。」
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大変興味深い内容だったが、肝心なことがまだ説明されていない。
「で、結局なんで俺は魔動機を使えないんだ?」
ホワイトボードやら何やらを片付け、目の前でお茶を飲んでいるワイスに尋ねる。
「多分、体外に魔力を放出することができてないんじゃないかな?あり得るとしたらそれぐらいだと思うよ。」
なるほど、魔力の放出の仕方なんかわからんからな。
「じゃあ、どうやったら魔力を放出できるようになるかとか、わかんないか?」
マイペースにお茶を飲むワイス。こいつ真剣に考えてんのか?
「うーん。魔力を放出できない人なんか見たことないからわかんなーい。」
無言でチョップした。
ちなみに、街頭などのずっと起動しているものは、魔石という魔力を放出する石を日毎に交換して動かしているらしい。




