第12話:「知らない天丼」
前回のあらすじ、ワイスのご近所さんが、モヒカン連れて決闘挑んできたが、なんとか倒した。
ブラストに差し伸べられた手を取って立ち上がる。コイツは俺のこと憎しで決闘を挑んできたんじゃなかったのか。
「随分と意外そうな顔をしているな?」
ブラストは爽やかな笑顔を浮かべてそう言う。
「当たり前だ。出会い頭に決闘を申し込んでくるやつなんて、まともなやつじゃない。と思うのが普通だろ。」
「それについては済まなかった。俺も頭に血が上っていて、冷静な判断ができていなかった。本当に申し訳ない。」
丁寧に頭を下げるブラスト。なんだよ今更になって!と思わないでもないが、こっちも決闘に乗った身だ、どうこう言う権利は無い。というか、
「それはいいんだが…眠い。」
今度こそ完全に体力の尽きた俺は、地面に仰向けにぶっ倒れて寝た。
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目を覚ますと俺は、ベッドの上にいた。最後の記憶は…ブラストとの決闘に勝ったあと寝ちゃったんだっけ?
「知らない天丼だ…」
お決まりのセリフを言いつつ、部屋を見回す。ベッドやタンス、化粧台と言った大きいサイズの家具はあるが、私物と思えるものは一切ない、生活感の無い部屋だ。だが、それにしては妙に綺麗で、きちんと掃除されているようにも感じる。
「よいしょっ…と。」
ベッドから起きて体を動かす。骨でも折れているかと思ったが、ケガは無いようだ。推察するに、ここはブラストの家だろうか。ワイスの家という線もあるが、年頃の女の子がそう簡単に男を家に上げるだろうか。まぁ、ワイスならやりかねないか…
そんな風に考えていたが、答えの方からやってきた。
「なんだよ、お前起きてたのか。起きてたなら起きてたって言えよな。」
開かられたドアから入ってきたのは、モヒカン野郎だった。
「ええぇぇぇ....」
大困惑ディノバルドみたいな顔になった。
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「あっはっは。ごめんごめん、驚かせちゃったね。」
笑い泣きしながら謝っても意味ねぇよ。と心の中でツッコむ。ここはワイスの家で、モヒカンが眠った俺を運んだ上、様子を見てくれていたようだ。いや、後者はワイスがやってくれよ。
「モヒカンに感謝しろよ。」
ワイスが作ってくれた晩飯を食べながら言う。そのモヒカンは、ブラストを呼びに行ったようだ。
「はーい。おかわりは?」
「いらないよ。」
そんなことをやっていると、インターホンが鳴った。
「あっ、ブラスト来たみたい、ルークに話があるんだって。」
ふーん。まぁ、今更なんかいちゃもん付けられることはないか。
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「改めて、昼間の非礼を詫びさせて欲しい。本当にすまなかった。」
深々と頭を下げるブラスト。もう許したことを謝らないで欲しい、なんか悪い気になる。
「それは俺はもう許したから謝るな。それより話ってなんだ?」
わざわざ夜にもう一度会いに来る程だ。よっぽど大事な話があるんだろう。
「それについてなんだが…」
言い淀むが、意を決したようにブラストが話し出す。
「決闘した時に、ワイスはもう1年はパーティを組んでいないと言ったよな?」
「あぁ、俺はあの時が初耳だったが。」
さしずめ、ワイスがパーティを組まなかった理由か、
「ワイスは…5年前、両親を冒険者に殺されているんだ。」
思ってたよりもヘヴィなやつが来た。
ルークの異世界定義メモ
この世界における《スキル》とは、ゲーム的な意味でのスキルでは無く、言葉通りのスキルという意味である。




