1話 兎にも角に気ままお嬢様王都まで移動中
ガタガタと揺れる馬車の中、私死亡して良い所の貴族の家系に転生したサーヤ・フランシアは学園入学の為に私の家専属冒険者の幼馴染みアリア含む何名かの護衛に守られながらゆっくりと流れる山や畑仕事をしている農夫達を眺めながら、サンドイッチを食べる。
んー!レタスのシャキシャキ感にトマト!最高‼︎極め付けはジャイアント・ボアのステーキ!余りにも美味しくてつい笑っちゃいますわね、入学に関しては試験とかは事前にやっていたりする…の筈だけど私の場合経歴が経歴のお陰かそのまま試験もなく合格となりましたわ。
「お嬢様はほんと美味しそうに食べますよね」
いつもの様に呆れた様に笑う彼女の名前はリーシャ、私が小さい頃に興味本位で入った領地内の路地裏にいた孤児でそのまま私の専属メイドにした過去があり何だかんだ私の事を慕っているとは言え付き合いが長いから殆ど友人みたいな感じになっている…まぁ実際は友人以上の付き合いなんですけどね!そんなリーシャも私と同い年で尚且つ何でもフランシア家のわんぱく娘らしい私の護衛兼お目付役らしい。
「んふふ、そりゃあリーシャのご飯美味しいですからねぇ」
へにゃっと笑いながら砂糖を大量にいれた紅茶を受け取り一口飲む、丁度いい温度で熱くはないし良い感じの甘さで落ち着く…
「はふぅ…ご飯も紅茶も美味しいしリーシャ好き愛してますわぁ」
「全く私もサーヤの事好きですし愛してますよ?と言うより私達恋人同士ですし、それよりも」
すごーく嬉しい事を言われ顔を赤くしていたら、ずいっと対面に座ってるリーシャがこっちに詰めてくる…近い!近いですわ!とか内心慌てていたらビシッと目の前に指を突き出して来た
「あら宣戦布告?」
「何のですか?…はぁ、私達が王都に行く目的覚えてます?」
勿論それは私達がこれから入学する貴族御用達のエリート学園ことエミリエス魔法学園に向かう為だ、魔法適切があったのと貴族と言う訳で入学する事になった…因みにリーシャは実技試験、つまり教師との模擬戦で一悶着があったりする、まぁどんな場所にも格差差別があるって事よね嫌になりますわね。
「サーヤ?聞いてます?」
「勿論覚えてますわ!あの素晴らしい王都でのんびりのほほんとスローライフ食べ歩き食い倒れ生活を送る為!でしょ?」
素直に答えるのも面白くないし適当に答える、勿論自信満々に最後にドヤ顔もする。
「お嬢様?からかってますよね?」
「わー!ごめんごめん!」
リーシャがジトッと見つめて来ながらむにー!とほっぺをつねってくる、流石にからかい過ぎましたわね。
「はぁ…一応聞きますけど王都に着いたら歩いて学園まで行くつもりですか?」
「当たり前でしょ?」
「お嬢様…サーヤ良いです?サーヤの散策癖は分かっていますし別に止めるつもりもないです…がこれからは控えた方が良いですよ」
「なんて…無慈悲な事を言うですのリーシャ!」
「そもそも『竜殺し』『最後の砦』『機甲要塞』の二つ名を持っているのに安易に街に出たら酷い目に遭うのですよ?ただでさえ王都ではお嬢様の事を勇者と呼んでいる方が多いんですから」
前世ではアレ位は日常的にやってたから実感は湧かないけどこの世界だったら余程の偉業でしょう、とは言え確かに英雄とか持て囃されてる私が変装もしないで街を歩いたらいつも以上に面倒毎に巻き込まれるのは簡単に想像出来ますわね…と言うより勇者?確か勇者って
「なるほどねって勇者ってもういる筈ですわよね?」
「えぇ、ですが彼はまだ功績も何も出せてない様で」
あぁなるほど、それで私が勇者と呼ばれてるんだ…何というか申し訳ない
「どうやら帝都にに着いた様ですよ」
そう良い窓から顔を出して見ると目の前に巨大な城壁と木製の扉と王都に入る為の長い行列が見えひっきりなしに商人等が出入りしていた、これこそが私達が住む国の首都であり最大の都市王都。
「サーヤ!」
「ひゃあ⁉︎」
ほえーと顔を出し眺めていたら突然見声が私を呼ぶ、わわ!って今の声って
「あらー!アリア!護衛ありがとうですわー!」
声の方を見るとやはりと言うか勝気な目をして太陽の様な真っ赤なポニーテールをした私より小柄な美少女、幼馴染みのアリアがいた。