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第7話:調合魔法

 2個目のボート作りもそろそろ終わりが近付き、明日ぐらいには完成する見込みが出てきた頃。突如、キモゴリとママゴリに呼び出された。


『ねぇ、貴方最近魔法の扱い上手くなってきたわよねぇ。魔力の痕はまだ残っちゃってるけど、それでも相当な物だわぁ。』


「そうだな……自分でも相当上達した様な気がする!」


 何というか、上達はその身で感じてはいたが、こうして改めて褒められると、少し嬉しい気分になる。


『それで、上達して来たのなら、今後も役に立つ魔法を教えようと思うの。風魔法とかよりよっぽど良い魔法よ。』


「本当か!?」


 かなり興味が湧いてきた。そんな魔法を教えてくれるのはありがたい。

 それに、もうすぐ島を出る時が近付いている。実用的な魔法を覚えれるのならば、覚えておきたい。


『えぇ、【調合魔法】と言ってね。物を混ぜ合わせる事で、色んなアイテムを作れるの。それは傷を癒やす物だったり、栄養を摂取出来る物だったり……はたまた敵を一瞬で倒せる物だったり様々なアイテムを作れるのよ。』


「なるほどなるほど、それは良いな!」


 めちゃくちゃロマンがある話だ。特に敵を一瞬で倒せると言うのは物凄く興味がある。

 そんなアイテムを何十個も持って前に会った木の根の化け物を圧倒してみたい。


『まずは、薬草と魔法水に魔法を掛けて、ポーションを作るの。それが出来るようになれば調合魔法は完璧よ。』


「分かった! やってみる!」


 しかしポーションか、これも中々ファンタジーが溢れる代物で気分が上がってきた。

 俺が意気揚々と魔法を掛けようとした時、キモゴリに止められた。


『ちょっと待ちなさい、コツがあるのよ、こう言うのは。』


 そして、キモゴリは意外と丁寧に教えてくれた。

 何でも、調合魔法と言うのは過程をイメージするのが大切らしい。

 こうやってかき混ぜて、こういう物にするだとか、そういうイメージを魔力に乗せて素材に放ってみると良いらしい。


「よし、やってみよう!」


 俺は早速、イメージをしてみた。

 薬草は粉の様になるまですり潰し、それを魔法水と混ぜ合わせていく。

 すると出来るのは綺麗な青いポーションだ。


 俺はそこまでのイメージを完成させ、魔法を放った。


 その魔法は綺麗な光を放ち、俺達の視界を遮断した。そして、その光が収まった時には、透き通る海の様に青いポーションが出来ていた。


『あらぁ、やるじゃない! 一発で出来るなんて思いもしなかったわ!』


「あぁ、俺も驚いたよ! お前のお陰かも知れないな!」


 実際、キモゴリの教えがかなり上手かったから、と言うのは要因にあると思う。言っていた事がスッと頭に入り、その通りにこなす事が出来たのだ。


『良かったわね。それじゃぁ、調合魔法の会得記念にこれをあげるわ。』


 そう言って、ママゴリが分厚い本を渡してくれた。

 広辞苑のような見た目と反して、その本はあまりにも軽かった。


「これは……なんだ?」


 中を開いて見てみると、素材のリストが書かれてある。色んな名前が羅列してあり、パッと見ただけでも1000は超える程の素材が書かれている。


『調合書よ。素材の特徴とかはそれを見れば分かるのよ。』


「なるほど……。助かるよ、ありがとう。」


 これはありがたい物を貰った。

 これさえあれば、どれとどれを調合すれば良いか分からない、という事にはならなさそうだ。


『ウフフ、私とお母さんが頑張って作った共同作品なのよ。大事にしてねぇ。』


「そうなのか……何か悪いな。」


『構わないわよ、これぐらい。』


 やはり、ゴリラ達は優しいな……。

 俺みたいな得体の知れない奴にここまで優しくしてくれる。


「それと、もう1つ気になる事があるんだけど……これっていったい何で出来てんだ……?」


 見た目だけなら鈍器に出来そうなぐらいの本なのにめちゃくちゃ軽い。これで相手を殴っても恐らくペシッという音しか鳴らなさそうだ。


『それも、魔法で出来ているのよ。あ……そうだ。その魔法も一緒に覚えておく?』


「おう! それなら頼む!」


 そして、その日俺は紙魔法についても教えてもらった後、次の日の朝を迎えた。

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