表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/70

第5話:初めての魔法

「むぐぐ……少し腹がきつくなってきたな……。」


『大丈夫? 無理しなくていいのよ。』


 俺は体の中にある大地の力が普通の人と比べて圧倒的に少ない。だからこそ、【マジシャルバナナ】を食べながら魔法の練習をするという奇妙な状況を続けなければならない。


 ママゴリ曰く、子供でももう少し大地の力を持っているらしい。正直甘える様な事は言いたくないが、球体にはちょっとぐらい融通を効かせて欲しかった。


 しかし、ここは無理してでも魔法を覚えたい。早く自己防衛手段を手に入れたいと言うのも勿論あるが、やはり魔法を一発でも良いから放ってみたいという部分が大きい。


『……まだやるのね……。』


 ママゴリが心配そうにしながらも、親切に教えてくれている。お陰で大分分かってきた。

 大地の力を無理矢理魔法に変えるのではなく、大地の力を自分の体に適応させ、魔力に変換させるのだ。

 その魔力というのが魔法を放つ為の燃料の様な物になるらしい。


 俺はこれがどうも良く分からなかった。しかし考え方を変えてみれば良いのだ。卵と牛乳で無理矢理プリンを作るのではなく、一旦混ぜてからプリンを作り始める。


 それと同じ様に、大地の力と血液を一旦混ぜ合わせる様な感覚でする。そうする事で、ようやく俺の体の中に魔力が誕生した。

 体の中に温かい力が湧いてくるのが、感覚的に分かった。


「よっしゃ! 上手く行ったぜ! ママゴリ、魔力が出来たぁっ!」


『あら、良かったわね。じゃぁ……次はそれを魔法に変えるのよ。』


 ニッコリとしたゴリラ笑顔を浮かべながら、ママゴリはそう言った。

 魔法に変えると言っても良く分からず、首を傾げていると、ママゴリが説明してくれた。


『そうね、水魔法で言うなれば、体の中の魔力を水に変えるのよ。この時、大事になってくるのは想像力。イメージによって、どんな水にでも変わっていくわ。』


「なるほど……イメージか……。」


 よし、水のイメージとなると……一番手っ取り早いのは海だな。海を作るようなイメージで、体の中の魔力を……水に変える。


 そして、その変換した水を一気に放出した。結果……暴発した。


 手に発生していた光から俺の方へと一気に水が噴射された。

 洗車用のホースの水をぶっ掛けられた様な気分がする程に相当な勢いの水だった。


『あぁ、やっぱりこうなるのね……。何で水魔法が基礎なのか分かったでしょう?』


「うん、良く分かった……。」


 なるほど……もし、他の魔法で暴発が起きたら死にかねない。例えば、氷魔法でやっていたとしたら、一瞬で俺の体に穴が空いていただろう。


「って……中の地図大丈夫かな!?」


 懐に地図を入れたままだった。

 俺は急いで取り出したが、案外全く濡れていなかった。


『あら、そんな物入れてたのね。でも濡れてないなんてラッキーじゃない。』


「そうだな! 良かったぁ……。」


 俺は安堵したまま、忘れる前に地図を例の入れ物に入れた。

 そして、見たくなった時以外はここに入れとく事にしようと決断した。


『さてと、魔法は放てるようになったし、後は制御を上手くするだけね。まだまだ魔力痕も残っちゃってるからね。』


「魔力痕?」


「えぇ、魔力の痕跡みたいなものよ、魔法を扱うのが上手くない人はこれが残っちゃうの。全ての魔力を使いこなせてない証拠ね。」


 なるほど……上手い人程魔力を余す事なく使えるから痕が残らない、という事か。


『逆に魔法の扱いが上手くなってくると魔力の痕跡を残すのが出来なくなって来るんだけどね。』


 それはちょっと不思議な現象だな……。

 上手くなったら下手なフリは出来ないって事か。いや、別に下手なフリをしたい訳ではないが。


「よし、ママゴリ! もっと魔法について教えてくれ!」


『駄目よ。今日は【マジシャルバナナ】を食い過ぎてるわ、これ以上食べても今日は意味ないわよ。』


「そ、そっか……そうだったな……。」


 少しもどかしい気もするが、食べてはいけないと言われている限り食べないのが得策だ。


『……そんなにしょげなくても大丈夫よ。明日また教えてあげるわ。』


 ママゴリはニッコリと笑いながら言ってくれた。

 なるほど、確かに時間はまだまだあるのだし、そこまで急ぐ必要もないか……。それに詰め過ぎるよりも時には寝るのも大事だな。


「そうか……よし! それなら明日も頼む!」


『えぇ、任せておきなさい。』


 俺は安心しながら、眠りについた。

 意外にも、眠っている間の恐怖とかはあまり無かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ