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第45話:コピー

「しかし、どうやって金を稼ぐか……。」


「フシュゥ……。」


 俺達は腕を組みながら、考え込んでいた。

 現在の所持金は2人合わせて金貨3枚程。そして所持している物は、あの地図1つと調合書、イリーナの剣に、ポーション2つや小爆弾が3つだ。


「なぁ、ポーションや爆弾ってどれくらいで売れるんだ?」


「うーむ……ポーションは1つで銅貨5枚、爆弾は銀貨2枚で売れれば良い方だ。」


 恐らく精一杯値上げ交渉をして、そういう値段になるのだろう。

 そうなると、この2つはあまり売っても効果は無さそうだ。


 しかし、それ以外に売り物はねぇな、調合書を売るのは流石に憚れる。イリーナの剣は本人が大事にしてるから嫌だ。そして、地図なんか論外だ、手放しはしたいけど、誰かに渡したい代物じゃねぇ。


「どうすっかな……。」


 俺がポリポリと頭を掻いていると、イリーナがハッと何かを閃いた様に顔を上げた。 


「その調合書と同じ物を、紙魔法で作って売ればいいのではないか?」


「……お前、天才か。」


 その手があったな……。確かに紙魔法でコピーする事は出来るかも知れねぇ。ちょっと時間は掛かるかも知れねぇが……。


 イリーナがフッ、と笑みを浮かべながら、腰に手を当て、胸を張っている。


「よし、そうと決まればやってみよう。私の見立てではその調合書を売れば金貨5枚は下るまい。」


 凄えな……値上げ交渉をすればお釣りが来るレベルかも知れねぇ。

 ちょっとした罪悪感っていうのはあるが、今んとこそうするしかねぇしな……。


 俺は早速、作業に取り掛かった。紙を生み出し、その紙に調合書に書かれてある事を模写していく。

 そして魔力が切れたら、イリーナの差し入れを食わせてもらい、作業を続ける。


 しかし、続けてみて分かった。この作業、めちゃくちゃきつい。

 魔法を使っても素材の絵を上手い具合に書く事が出来ねぇし、何かへんてこな感じになっちまう。


 何度も書き直してやっと、何とか分かるレベルの絵が描けるのだ。しかもこれはただの模写である。

 今更ながら、ゴリラ達は凄え事をしてくれたんだな、というのが良く分かった。


「大丈夫か? そろそろ休んだ方が良いんじゃないか?」


 そう言って、イリーナが顔を覗かせてきた。心配してくれてる様でありがたいんだが、まだ休む訳にはいかねぇ。


「悪いな……。せめて、魔力の補給が出来なくなるまでやりてぇんだよ。」


「そうか……。」


 そう簡単に休む訳にも行かねぇ。時間はねぇし、さっさと船を買える金を作っておきたい。


 と、言っても……。先程から少しうるせぇ……。


「フッシュッウッ! フッシュッウッ!」


 する事が無いクルヴァースは応援するという暴挙に出たらしい。

 木の根と木の根を叩き合わせ、拍手の様な物をしながら、声援を送ってくれる。


 何やかんや嬉しくはあるのだが、作業中ずっと聞かされると徐々にうるさく感じてきた。

 しかもたまに変な踊りも披露してくれるから気が散って仕方がねぇ。必死だということは分かるので止めるのもちょっとな……。という気分になってくる。


 俺はそんな中、頭を抱えながら、調合書のコピーを完成させた。

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