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第34話:魔法式

「フフフッ、素晴らしい……。素晴らしいよクラジレン君、ここまで探知魔法が冴え渡った事は無い……。今ならば君の位置と距離がはっきりと分かる!」


「探知魔法……! そういえばてめえにはそれがあったな!」


 なんてこった……。目を封じたとしてもそれがあるんだったら俺の位置が分かってもおかしくねぇ。

 それに人間は目を封じると感覚が鋭くなるって話がある。探知魔法にそれが関わってるのかも知れねえ……。


 なんにせよ、目の前の隊長が手負いの獣になった事は間違いねぇ……。


「フフフッ、これで終わりだ! クラジレンくぅんッ!」


 奴は目を閉じながら、正確な狙いで俺を斬ってくる。

 辛うじて避ける事は出来てはいるがこんな物絶対に続かねぇ……。


 ならば……!


「隊長さんよ! こいつもくらいなッ!」


 俺は懐から正方形の筒を取り出し、穴が空いてる方を隊長へと向け、両手で外側のスイッチを押した。


 次の瞬間、強烈な爆発音と衝撃が走った。


「ぐえっ!」


 俺はその衝撃によって、後ろの木に叩きつけられた。予想以上に強烈な衝撃だったが、効果はあったみてぇだ……。


「な、んだ……これは……ぶふぁッ!?」


 隊長の胸に穴が1つ空いていて、そこから血が溢れ出している。

 隊長は歯を食いしばりながら、歯の間から血を滲み出していた。


「へっへっへ……切り札って奴さ……あんた鉄砲って知ってるか?」


 それを見て、隊長がハッと気付いた様に口を開く。


「ま、また魔法式などという物か!?」


「そうとも!」


 俺はそれに頷いた。

 出口を着けている、木で出来た正方形の筒の奥に、前にも使った小爆弾を入れ、弾丸の様な形にした木も入れておく。

 そして、外から小爆弾を起動出来るように蓋の原理を再利用する。木の筒に丸い穴を開け、そこにゴム製の蓋を取り付ける。勿論、木の棒が下側に着いてる奴だ。


 そうする事で後はスイッチを押すだけで連鎖的に小爆弾のスイッチも押され、爆発によって銃弾が飛ぶ。これで、魔法式鉄砲の完成だぜ。

 反動も相当強いし、その反動で腕がボロボロになっちまうがな……。


 俺はポーションを飲み、傷をほんの少し回復させた。

 少なくとも、これであと一発は銃弾を撃てるはずだ!


「さぁ、終わりにしてやるぜ、隊長さんよッ!」


 俺が鉄砲を懐から取り出した瞬間、隊長が血を吐きながら大笑いをし始めた。


「フフフフフフ……ハハハハハハハハッ!」


「な……何だってんだよッ!?」


 状況はこっちの方が優勢だ……。しかし奴のその不気味な笑い声に、俺は気付いた時には汗を掻き、気圧されていた。


「いやね……。その鉄砲という物が何かは知らないが……一発目を当てた後にすぐにもう一発撃たない所を見ると、連発して撃つ事は出来ない様じゃないか……。」


「だから……どうだってんだよッ!?」


 それを見抜けたのは凄え事だ。でも、だからって劣勢な事には変わらねぇ……。

 この一発は奴には防げねえはずだ……。


「フフフッ、つまり、あと一発の銃弾を僕が耐え切ったら、君はそれだけで万事休すという訳さ……。違うかな?」


 確かにそうだ。もし次の銃弾で仕留めきれなけりゃ、あいつは喜々としてこちらに斬り掛かってくるだろう。

 鉄砲が無ければ、それに対応する事は俺には出来ねぇ。でも、それはもし耐えれたらの話だ。体に穴を空けられるなんて、何発も耐えれる訳がねぇ……。


「ふふふっ、残念だったねクラジレン君……。切り札がそんな不安定な物だったとは、ね……。」


「うるせぇッ! 幾らお前でも2発は耐えれねぇだろうが! 喰らっときなッ!」


 俺はそう言って、銃弾を放った。

 反動に吹き飛ばされながら、俺が見たのは、銃弾を剣で弾き返す隊長の姿だった。


「フフフフフッ! いやぁ、あぁ言えば君は顔の辺りを狙うと思っていたよ。先程の言葉で君は私に対する恐怖に駆られ、確実に仕留めたいと考えた。だから、こんな場所を狙ったんだ」


「嘘……だろ……」


 こいつはわざと俺を怯ませて顔を狙わせやがった……。

 さっきの駆け引きも全部、俺を操るため。初めから銃弾を耐えるつもりはなく、弾くつもりで動いてたんだ……。


「終わりだよ! クラジレン君ッ!」


 奴が俺の方へと飛んでくる。

 もう腕にはろくな握力がねぇ……鉄砲のスイッチを押すのは無理だ……。


 でも、姿が見えねぇってのが命取りだったぜ……。


「あんたは凄えよ。俺の考えをあらゆる面で上回ってきた……。でも、連射出来ねえってのは間違いだぜ……。」


 俺は舌でそいつを歯の前に引きずり出し、銃口を奴に向け、スイッチを噛んだ。


 その銃弾は、奴の顔を貫いた。


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