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第31話:縄張り

 敗北続きの人生だった。

 幼い頃からあらゆる者に挑み、負け続けてきた。

 その全ての戦いに共通する点としては、私が縄張りを奪いに行ったという所だ。


 私はガキ大将や番長などに挑み、奴等の縄張りを奪おうとした。その縄張りが欲しかったからだ。私も同じ様にメンバーを引き連れたかったからだ。


 しかし、私は彼等に返り討ちにされてしまった。幼い頃は縄張りを奪おうとして、上手く行った事は1度も無かった。


 しかし、私にも運命の転機がやって来た。

 軍隊の隊長を遠目で見たのだ。

 あらゆる武装に身を包んだ兵士達の上に立ち、導いている存在。私はそれになりたいと願った。そう……なりたいと願い、奪いに行ったのだ。


 勿論負けた。軍隊の隊長などに勝てる器では無い事は当たり前であった。

 しかし、ガキだの馬鹿だのと罵られ、金も毟り取られ、牢獄に1ヶ月ぶち込まれた。

 そんな敗北の日々を過ごす中で、私にはある決意が芽生えていた。


 奴の縄張りを奪ってやると……。


 そして私は魔法を学び、剣術の修行をする日々を過ごした。

 剣術の天才となり、私から縄張りを隠そうとする奴を暴く魔法を学び、私だけの兵隊を作った。


 そして、いつしか私は魔法を自分の縄張りにする事を目標としていた。

 そこからの10年はきつかった。あらゆる学書を引っ張り出し、寝ずに気絶するまで研究と修行を続ける日々を送った。


 その日々の末に、私は魔法を縄張りとする事に成功した。

 【封印魔法】という技術によって……。


 封印魔法の術式を体に埋め込む事によって、私はいつでもその魔法を撃てた。

 そして、他の誰もがその術式については知らない。おかげで、私との戦いでは誰も魔法は使えない。魔法は私だけが使える私だけの縄張りとなったのだ。


 魔法を縄張りとした私にとって、隊長になるということは最早作業の様な物。

 軍隊に力を見せつけ、隊長へと代替わりをするのはあまりにも容易い事だった。


 幼い頃の夢を完遂させた私が次に目指した物はある意味当然とも言うべきか……。

 この世界を縄張りにする事だった。この世界の覇者となる事だった。


 しかし、私は隊長になる為に費やした時間が長過ぎた。剣術は次第に衰えを見せていき、私の完璧にヒビが入り始めた。


 次第に諦めの2文字が頭に浮かぶようになって来た私に、1筋の光明が差し込んだ。


 あの地図だ。あんな素晴らしい物がこの世に存在していたというのか……。


 それならば、奪うしかない。あんな青年が持っておいて良いものではない。私こそだ、私こそあの地図を持つに相応しい物なのだ。


 しかし、1度不覚を取ってしまった。あの青年に逃げられてしまったのだ。私の人生における最大の失態とも言える物だろう。あの地図は確実に逃す訳には行かない。


 我が夢の為にも、あの地図は私が貰い受ける。


 ゴリラ達とイリーナ君から離れてきたこの男を今こそ切り捨てるのだ。地図を手に入れ、覇者となるのだ。


 さらばだ。青年よ……。


 そう思い、僕が青年へと飛び掛かった時、何かの壁にぶつかった。

 その透明な壁はすぐに割れた。そして、割れた直後に青年の目はこちらに向いていたのだ。


「よぉ、隊長さん。決着を着けるとしようぜ。」

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