第24話:隊長の殺意
「フフフッ……さぁ、早くその地図を渡すんだ。」
やべぇ……断ったり、下手な動きを見せたら瞬時に斬られる。
でも……それが分かっても了承する訳には行かねぇ。
「……やめとけ、隊長さんよ。今俺を斬ったら、即座に自爆魔法を発動させるぜ!」
隊長はその言葉にピクリと反応した。自爆魔法なんてのはハッタリだが、流石に効いたみてぇだな……。
そう思っていると、突然隊長が笑い始めた。
「フフフフ……ハハハハハハハッ!」
その悪魔の様な笑い声に内心恐れをいだきながらも、寧ろ恐れを吹き飛ばす様に語気を強めた。
「なんだよ……突然笑い出して、頭がおかしくなったのか!?」
「フフフッ、いやね。自爆魔法なんてのは何だか知らないが……。そんな物に希望を抱いて居る君が、とてもとても滑稽でねぇ……。」
何だってんだ……? 俺の手に地図があるのはこいつだって知ってる。それなのに何で魔法の事を甘く見れるんだよ……。
次の瞬間、隊長の手から何か青く、少し透明感のある不思議な球体が飛び出してきた。
咄嗟の事で躱す事が出来ず、俺はそれに当たってしまった。
それと同時に襲ってきた形容しがたい不思議な感覚……体内の何かを失った気がする……。
「何だ……これ……。」
「フフフッ、封印魔法って奴だ。君にも分かるかい? 犯人対策の為の魔法の1つでね。一定時間対象の魔法を使えなくするんだよ。」
やべぇ、んなもんあったってのか……。
ただでさえ勝つのが絶望的だってのに、更にやばくなっちまった……。
「フフフッ、隙だらけだねぇ、クラジレンくぅんッ!」
気付いた時には隊長は俺のすぐそばまで来ていた。そして、地図が奪われるその瞬間。
「くらえッ!」
イリーナが隊長を蹴り飛ばした。
「イ、イリーナ!?」
俺が何で、と言う前に彼女はスッと手を差し伸べてきた。
「逃げるぞクラジレン! 隊長はあの程度では済まない!」
その言葉を聞き、俺はイリーナの手を掴んだ。
「イリィナくぅん……何でこう良い時に裏切るかなぁ……。」
地面に転がっていた隊長がぬぅ、と起き上がり、こちらを睨む。
「裏切ったつもりはありません。私が味方するのは隊長ではなく、民衆でありますので。」
そう言ってイリーナは俺の手を引っ張った。
「逃げるぞクラジレン!」
「おう!」




