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プロローグ

『ねぇ、服脱いで体見せてぇ。』


『うふ、いい男ね貴方、私好みだわぁ。』


 今、あらゆる女性に囲まれている。

 その女性の共通点は、全員が毛深く、まるでボディビルダーの様にたくましい体をしている。


 家に出てくるあの憎き奴を連想させる全身真っ黒のその体は、否応なしに相手がゴリラだと言う事を理解させられた。


「どうして……どうしてこうなったんだよぉぉぉっ!」


ーーー


 俺は普通のサラリーマン。

 社会人2年目ぐらいのベテランでも無いようなサラリーマンだ。


 そんな俺が帰路に着いている時、突然目の前にゴリラが現れた。


「は……?」


 しばらく動けなかった。

 なんでこんな都会にゴリラが? とか、そもそもさっきどこから現れたんだ? など浮かんできた色々な疑問が、ゴリラが急接近してきた瞬間、全て吹き飛んだ。


 ゴリラが真正面から飛んできている状態だと言うのに、俺は恐怖でその場に硬直してしまっていた。


「ウホォッ!」


 そんな危機的状況で動けなかった俺へのペナルティは、情け容赦のない一撃による、死だった。


ーーー


 そして目が覚めると俺は不思議な空間に居た。全体的に白い空間で、どこか温泉に浸かっているような安心感があった。


 もしかして、ここは天国とか言う場所なんだろうか? でも、上空は青い景色だし、もしかしたら雲の上の世界なのかも知れない。


『ここは天国ではありません。』


 突然後ろから人気女優の様な透き通った声が響いた。

 俺は殆ど反射的に振り向いた。するとそこには、黒いもやの様な物があった。

 それは丸々とした球体で、まるでバスケットボールの様な大きさの何かだった。


 正直こんな物がさっきの様な声を出すとは思えない。しかし、周りには誰も居ないので、どうやらこの黒い球体が言っているようだ。


『さて、早速状況の説明をさせて頂きますね。』


 俺はその言葉に深く頷いた。

 正直助かる。さっきから何が起こってるのかまるで分からなかったのだから。

 ここは死んだ後に来る世界なのか、とか、あのゴリラはいったい何だったんだ、とか、ともかく気になる事だらけだ。


『まず、あのゴリラに関してなのですが……。あれは完全にこちらのミスで、本来あんな場所に出るはずの無い生き物だったのです。』


 ミスでゴリラが出た?

 何とも突拍子が無い話だ。そもそもミスと言われると何か違和感がしてくる。

 俺が住んでた世界はこいつらが運営していた物だったとでも言うのだろうか?


『色々と疑問はあるでしょうが、詳しい事は教えられないのです。それでですね、生き返らせる事は出来ないのですが、お詫びとして、貴方を別世界に転生しようと思いまして。』


「て、転生!?」


『えぇ、そうですよ。そちらの世界によく異世界転生などと言うものがあるでしょう?』


 異世界転生……。

 転生してチートを貰って幸せに暮らすみたいな奴だったか。

 あの転生にも色々あり過ぎてどういう転生になるかは分からないが。チートを貰ってファンタジー世界に飛び込むのだとしたら……何かワクワクしてくる。


 やはり俺も男なのだろう。冒険とかハーレムに憧れてしまうのは仕方ない。


『そして、異世界に行く際に2つの転生特典を差し上げます。それと共に、ファンタジーな世界で、ハーレムを楽しんで来てください。』


 やっぱりファンタジーな世界でもありハーレムでもあったらしい、こう聞くと少しテンションが上がってくる。やはりその2つは男のロマンだと思う。


 しかしだ……。


「2つの転生特典?」


 これは聞いておくべきだろう。

 ファンタジー世界であるのならば普通に危険があってもおかしくないはずだ。

 そんな時に自分の能力について知らないのでは話にならない。


『それは、向こうの世界に着いたら自然と分かってきますよ。心配なさらずとも、いきなり危険な場所に転移させたりは致しません。』


 やはり目の前の球体はやたらと多くを語りたがらない。何というか、こいつは状況の説明と体の良い事を言って、ただただ言いたい事を言っているだけの様に思える。

 あまり手放しには信じたくない奴だが、今の俺は体も動かないし、抵抗も出来ないらしい。


 それならば言う通りに従うしかないだろう。

 俺は、そう考え、それ以上何かを言うのをやめた。


『どうやら、理解いただけた様で良かったです。それでは、向こうの世界でどうか楽しんで来てください。』


 俺は少しの不安と、興奮を抱きながら、異世界へと飛ばされた。


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