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5 もう、お嫁にいけない!

「おい、おい、マクリッド!聞いているのか?」


「ん?なんか言ったか?」


「おい、聞いてなかったのかよ。ボケっとしてないで話を聞いとけよ。」


ヤバイ、ヤバイ。あまりの衝撃に全然話を聞いてなかった。初恋って本当に電流が流れるんだな。出会っていきなり見つめ続ける男とかキモすぎだろ。はぁ~、今ので嫌われてないと良いけど。


「あぁ、悪かったよ。もう一回言ってくれるか?」


「だから、今回このペンルイス侯爵家の令嬢であるメリルと婚約を執り行うことになったと言ってるんだよ。ペンルイス家は国中の商人たちのまとめ役でもある家だからな。玩具を製作するお前にはぴったりの家だろ。」


なるほど、確かに親父からしてみれば商人たちのまとめ役であるペンルイス家との婚姻は国にとっても重要なことだろう。しかも、俺は国中で遊ばれている将棋の開発者でもある。そんな人間と婚約を結べばペンルイス家もさらなる利益を出すことが出来る。


恐らく、両家にはそんな思惑もあり、今回の婚約に至ったのだろう。


「殿下、ペンルイス家の当主であるグレントです。この度は婚約のお話をお受けしていただき誠にありがとうございます。マクリッド王子のお噂はかねがね、あの将棋というものの話を聞きましたが非常に考えられたものです!


いやぁ~、殿下が居ればこの国も安心ですな。おぉ、こんなおじさんの話を聞いていても面白くありませんよね。さぁ、メリル、殿下にご挨拶を。」


グレント侯爵のマシンガントークに俺は黙り込んでしまう。というか、この人自分のことをおじさんて、良いのか侯爵。この国の王がこんなだからだよ。まぁ、変に堅苦しいよりもいいけど。


「殿下、ご紹介に預かりましたメリルと申します。この度は婚約のお話をお受けしていただき誠にありがとうございます。殿下とこの国を支えることが出来るように精一杯努力させていただきます。」


いや、堅いよ、そして今まで見たことないくらいの真顔!いくら初対面の男女だからって堅すぎないか?仮にも俺たち婚約者なんだよね?夫婦になるんだよね?今のはむしろ、主人に忠誠を誓うときの感じだよ。


「あぁ、よろしくね。えっと、君のことは何て呼んだらいいかな?」


「はい、私のことはメリルとお呼びください。」


「じ、じゃ俺のことはマクリッドでいいよ。政略結婚とはいってもいずれは夫婦になるんだから殿下なんて堅苦しいし。もし、いやなら殿下で良いけど?」


なんだよそれ、どこのキザな男だよ!こんなセリフ、よく恥ずかしげもなく言えたな。出合頭にずっと見つめ続けてナルシストみたいなセリフを吐くってもう完全にヤバい奴だろ!うわぁ~絶対に嫌われた。もうお嫁にいけない!


「くすっ、んんっ。かしこまりました、これからよろしくお願いいたします、マクリッド様。」


「えっ、あぁ、こちらこそよろしく、メリル。」


あれ?今一瞬、笑わなかったか?いや、さすがに聞き間違えか。あんな真顔の人間、むしろちょっと睨んでいるような人間がこの状況で笑うとかありえないだろ。


こうして俺たちの最初の出会いは幕を開けたのだった。


よろしければブックマーク登録や↓にある☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただければ大変うれしく思います。


また、作者は他の作品も投稿していますので興味がある方はそちらもお願いいたします。


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