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18 ようやく誤解が解ける

「あ~、えっと、失礼しました!」


俺は気まずさからすぐさま、部屋を出ようとする。しかし、それを許してくれなかったのは親父だった。


「あれっ?開かない?ちょ、親父、ここを開けろよ!」


「うるせぇ!誰が開けてやるか!男のくせに逃げてるんじゃねぇよ、諦めろ。」


俺はドアをドンドンと叩くがどうやっても開く気配はない。完全にこの部屋に彼女と二人で閉じ込められたようだ。


「マクリッド様!ごめんさない!」


「えっ?」


彼女の突然の発言が俺の動きを止めた。彼女が発する言葉の意味が分からなかったからだ。俺を怒りに来たのなら分かる。前回はなぜか分からないが追い出されてしまったからな。だが、彼女は俺に謝ったのだ。ダメだ、全然わからん、意味が分からん。


「私、マクリッド様がラサーラに何か酷いことをしているのだと勘違いしてしまって、私、私、あなたにひどい仕打ちをしてしまったわ。ごめんなさい、ごめんなさい。」


俺が彼女の行動を理解できず、呆気に取られていると彼女はぽろぽろと泣き出してしまった。俺は目の前で女の子に泣かれるというハプニングに動揺してしまう。しかし、今まで一度も感情を表に出さなかった彼女が号泣しているのだ。


その事実が動揺よりも大きなショックを俺に与え、先ほどよりも平静を保つことが出来た。とりあえず、彼女の話を聞いてみよう。そうしなければ何も分からないだろう。




泣きながらも自分が誤解してしまい俺を追い出したこと、普段は感情を表に出すのは苦手で怒っているように見えるが俺と初めて会った時は本当にうれしかったこと、そんな彼女の心の中の気持ちをすべて話してくれた。


なんというか、俺のバカ~。普通、気づくだろ。どう考えてもおかしかったじゃないか!こんなの、漫画の世界ではすれ違いとかでよくあるパターンだろ、どうして気づかなかったんだよ!


彼女の話を聞いてみれば単なる誤解だった。俺がラサーラと話している時に、彼女が感極まって泣いてしまった光景を俺が何か酷いことをして泣いていると勘違いしたのだ。


「あ~、もういいよ。誤解だったんだから、それくらい誰にだってあることだよ。」


「でも、私は自分で最も卑下していたことをマクリッド様にしてしまったんです。私は、そんな自分が許せません。私なんか、マクリッド様に相応しくありません。私は、・・・。」


あぁ~、これはまたダメな方向に進もうとしているな。こんな時だからこそ、俺も自分の気持ちを正直に伝える必要があるだろう。前世の俺だったら絶対に言わないようなことだけどな。


よろしければブックマーク登録や↓にある☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただければ大変うれしく思います。


また、作者は他の作品も投稿していますので興味がある方はそちらもお願いいたします。

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