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16 婚約者の職場見学[下](メリル視点)

泣いている場合ではない、すぐにマクリッド様を追いかけなくては。傷ついているのは私ではなく、彼の方なのだから。しかし、お父様はそれを許してはくれない。


「メリル、それは本当に残念なことだがそう言うことならお前を殿下の元へ行かせることはできない。」


「なぜですか!私は、自分の気持ちを一方的に押し付けてしまったんです!マクリッド様に謝らないと、そうでないと私は・・・。」


「だからこそだ。そんなことがあったすぐに、彼に何を言ったとしてもお前の気持ちは伝わらないだろう。今はダメだ。今度、必ず弁解の機会をもらえるように私から陛下にお願いしてみるからそれまで謝りに行くのは辛抱しなさい。」


「ですが、お父様!私はすぐにでもマクリッド様に謝罪を!私のせいで傷つけてしまったのです。」


お父様の言うことは理解できるが私はすぐにでも彼に謝罪したいのだ。私は誰よりも傷つけられる痛みを知っているのだから。


「メリル!」


お父様が私に向かって突然大きな声で怒鳴った。お父様が怒鳴ったことなんて今まで一度も見たことがない。先ほどまで動揺して、謝罪のことしか考えられなかった私だがお父様の行動によって強制的に耳を貸すことになる。


「メリル、落ち着きなさい。さっきも言ったように今、殿下の元へと謝罪に行っても意味がない。それではお互いに不幸になってしまうだろう。


だからこそ、ちゃんとした機会を取る必要があるんだ。お前の気持ちだって分かる、お前に関わってきた人間の大半はお前の上辺だけの姿しか見ようとせず、お前のことを誤解したまま去っていく。


だからこそ、お前のことを自分から初めて理解してくれようとした殿下のことを傷つけた自分のことが許せないんだろう?その気持ちを絶対に忘れてはいけないよ。私が必ず殿下とお前の話す機会を設けて見せる。


だから、その時に精一杯、謝りなさい。お前の思っていること、考えていること、全部だ。自分の気持ちに嘘をつかず、何もかもを殿下に正直に打ち明けなさい。聡明な殿下のことだ、きっとお前のことを許してくれるに違いない。」


「ううっ、お父様。」


その日、私は再びマクリッド様とお会いする時のためにこの気持ちを忘れず、自分の気持ちを正直に伝えると心に誓うのであった。


よろしければブックマーク登録や↓にある☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただければ大変うれしく思います。


また、作者は他の作品も投稿していますので興味がある方はそちらもお願いいたします。

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