表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/25

15 婚約者の職場見学[中](メリル視点)

「お嬢様!あぁ、なんてことを。すぐに殿下を追いかけてください!」


ラサーラが私にマクリッド様を追いかけろというがそんなことをする必要はない。彼は私の大切な人であるラサーラを泣かせた最低の人なのだ。ラサーラが今のことでペンルイス家に不利に働くとでも考えているのだろう。


確かに、こんなことをしでかした以上、王家との婚約は破棄となり、ペンルイス家は厳しい立場に立たされるかもしれない。私も、責任を取って家から追放されてしまうかもしれない。それでも、私は彼女を泣かせたマクリッド様だけは許すことが出来なかった。


「ラサーラ、いいのよ、私のことなら心配しないで。こんなことをしでかした以上、私だって覚悟はできているわ。それでも、私はあなたのことを傷つけたマクリッド様を許すことが出来ないわ。」


すると彼女は私の肩を掴みながら心苦しそうに話し始める。


「お嬢様は誤解されています!私は悲しくて泣いていたのではありません、感極まって泣いていたのです!」


「えっ、」


私はラサーラが何を言っているのか分からなかった、頭が働かず何も考えられない。


「あの方はお嬢様の本当の気持ちを理解されていたのです。顔を合わせれば不愛想などというような表面的な者たちと同じではなく、お嬢様のちゃんと理解されていた方なのです!


それで、私はようやくお嬢様のことを理解していただける男性が婚約者になられたと嬉しくて泣いていたのです。ですから、お嬢様が考えられているようなことはされていません。お嬢様の誤解なのです!」


えっ、何それ。マクリッド様が私の本当の気持ちを理解してくれていた?私と関わった人は上辺だけの付き合いしかせず、私の本当の気持ちを理解してくれない。みんな私の内心を知ることなく、私の元を去っていく。それが普通だった、でもマクリッド様は理解してくれていた?


じゃあ、私が彼にした仕打ちって・・・。私はすぐにでも彼を追いかけるべく、部屋を飛びだすとお父様と遭遇する。


「ん?メリル、そんなに慌ててどこへ行く気だ?今は殿下のお相手をしているはずだろ。」


「お父様、私、私、マクリッド様になんてひどいことを、ううっ。」


私は自分がしでかしたことの恐ろしさから泣き崩れ、お父様に先ほどの出来事をすべて話す。私は、私のことを理解してくれたマクリッド様に対して一方的に私の感情を押し付けて追い出したのだ。


彼が私のせいでどれだけ傷ついたのかは計り知れない。それでは、私のことを上辺だけでしか見ない彼らと同じではないか!私は気づけば、最も嫌っていた彼らと同じことをマクリッド様にもしていたのだ。


よろしければブックマーク登録や↓にある☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただければ大変うれしく思います。


また、作者は他の作品も投稿していますので興味がある方はそちらもお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 最悪の作品
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ