復活の日2 5
チャコは全力をあげていたのだった!
全力で魔力を放出し、全力で走り──
ジャクリーヌに覆い被さり、彼女のために、おのが背を兇刃からの盾とし──
ジャンヌは思いもよらないチャコの行動に体を硬直させ──
聖斗の刀が、落下の途中で急停止した!
「──」
世界が、時が、凍り付いた。
「──」
そして、ふたたび、動き出す──
「──ぐふう……」
聖斗が、崩れ落ちる。
そこにあったものは、二人の少女の後方から伸びた、一本の杖。
その杖の先端の、日の光に熱く輝く一本の針。
老兵法者・秀麿の、仕込み杖であった。
勝負生死は表裏の背中合わせ──
地に横倒れの聖斗、目の焦点が、ぶれている。
「なるほど……見事な計算……さすが、俺の……師……匠……」
不可解にも、その唇に満足げな笑みを浮かばせて──
「あ、あ、あ──」
──チャコ!
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