復活の日2 3
またしても腰を抜かしたジャンヌ、顔を真っ赤にさせて、モーレツに抗議した。
「卑怯者! 恥知らず! わたしの家族を返せ! ドロボー! もどせェーーー!」
林崎甚助(聖)が、ジャンヌに声をかけた。
「姫……」
ジャンヌ、もうこれ以上ないってほどの限界にまで、目と口を開く。
「ジンちゃん……? あなたも、わたしの、ジンちゃんなの?」
まあ、冷静に考えれば、理屈的にそうだろう。だが、逆だと思いこんでしまっても今の場合責められまい。
「そのようです。ただし、拙自身は、この聖斗殿の家来となっておりますが……」
そのあとを引き継ぎ、林崎甚助(秀)が、ジャンヌに説明する。
「どうも、拙者の“たましい”とでも呼べる物が、なにかしら、半分ッコになった心持ちでございます……」
「……」
ジャンヌ、言葉を失う。そのまま視線を宙に彷徨わせると、ああ、ついに地面に横に倒れたのだった。
チャコだってそうしたい気持ちだ! もう、 <傍点> めっちゃくっちゃ </傍点> である。まだ受け入れられない。ジャンヌのセリフじゃないが、こんなことって、ありなのか? どーすんの、この状況!
秀麿も同様のようすで、あの煮ても焼いても喰えない老人が、正真正銘、目を白黒させている。
「秀麿の“コピー”よ……。魔法とは、このように用いるものだ……」
平然としているのは聖斗ただ一人だけで、むしろふてぶてしさを感じさせるほどだ。今やこの場のマスターとなった彼は、力強くゲームの開始を宣言したのだった。
「 <傍点> こなたの四人よ、かなたの四人の、御自分の御相手をいたせ </傍点> !」
う──
うお──?
うおおおお──!
おおおおおおおお──!?!
それは、誰にも決して信じてもらえぬであろう、奇妙キテレツ極まりない、下知なのであった──!