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決戦の日 7

 ようやく出番が回ってきたか、老陰陽師の、その怪しげな従者たちだった。

 さきほどからのやりとりを、それぞれ興味深く見守っていた、黒を基調としたキモノ、ハカマ姿の四人の男たち。

 大小の太古刀を左腰に落とし込んだ、いわゆる──


 武士イイイッ──!


 と叫んでしまいたい雰囲気ある男たちが、今、老指揮官の指図によって、まるで沢水の流るるごとく、まるで春のそよ風のごとく、ごく自然な足の運びをみせて、秀麿とジャンヌを背中にかばうように、横並びに立ち並ぶ。

 そのデフェンス陣の向こうから、お爺ちゃんは皺だらけのウインクをして寄こしたのだ。

「紹介いたしましょう、レディ。右端から──

 林崎甚助

 東郷藤兵衛

 柳生十兵衛

 宮本武蔵

 ──」

 名を呼ばれるごとに男たちは会釈して──


「──!」

 その名に浅い知識しかないチャコは、むしろ秀麿の技の方、おそらくはよみがえり系の魔術の方に、衝撃を感じたのだが──

 だが──

 ──

 いま相棒の姿を見て、あらためて老人の現出せしめた状況に、正しく驚愕したのである。


 ああ、知る人ぞ、知る。まさしく。


 その雷名は、はるか数千年の時の壁をぶち破り、現世の空に荒々しく轟いたのであった──!


 シンディが──


 わが自慢の友、いつも元気なシンディは、変わらずほほ笑んだまま。が──

 その顔が、紙のように白くなっている!

「シンディ──!?」

 四人の名に、 <傍点> 恐怖する </傍点> シンディ!!

 狼狽する時間すら与えられなかった。

 敵味方のなれあいも、しゃれた会話の応酬も、余裕をこいた演技 <ショー> もなにもなく、秀麿が大号令を発したのだ。

「四人同時にかかれ! ジャンヌ、行けっ」

 それを合図に――

 四人の武士が親愛と好奇の心情を顔に浮かべ、まず彼らが今まで見たことも聞いたこともないはずの剣技を振るうシンディに、迷いもなくスルスルと迫りはじめる。

 まだ誰も腰のものを抜いていない。

 太古刀を抜いていなければ、それがたとえどんな豪傑であろうと、現代普通人となんら変わりない。はずだ。ましてや今、史上最強剣であるレイピアを手にした、万能選手たる天才シンディの相手には、まったくならない。はずだった。だが──

 ここでチャコは、ショックで目を限界にまで見開くのだ。


 ああ──シンディが、じりじりと退きはじめているじゃないっ!?


 それ以上、人のことにかまけているひまがなかった。

 ジャンヌが刀をふたたび八双に構え、こっちに駆け込んで来ていたのだ──

 たまらず、

「し──」

 四天鬼! と叫ぼうとした。その前に──

 秀麿を中心に魔法の強烈な『念波』が放射され──

「またなの!?」

 またしても──

 チャコの頼りの四魔神は、出現をキャンセルされてしまう。

(しかし!) 

 チャコはさすがに悔しい。

( <傍点> なんでわたしの四人は、秀麿にこんなにも簡単に封じ込められてしまうのだろう </傍点> !?)

 ゆっくり思う間もなかった。

「チャコ逃げて──ッ!」

 どこか遠く離された場所からのシンディの叫び声──

「あ……」

 ジャンヌが目のまん前!

 とっさに後ろに跳び退ったものの、かかとがひっかかり、そのまま尻もちをつき――


 彼女の虹色の光剣が、天空から振り落とされてきたのだった!












8に続く。疲れた上、以降文章がぐちゃぐちゃになりそうなので、ほんとに休憩します……

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